「山下さんが高校時代に茶道をやっていたということで、オファーしました。お茶の手前については何度も練習してきて撮影に臨んでいましたが、映画初出演ということでかなり緊張した様子でしたね」
そんな彼女の運命を変えたのが、あの“大御所女優”の一言だった。
「樹木希林さんから『あなた、もっと大きな声でちゃんと喋りなさい』『カメラがあるって思わずに、茶道教室に来たと思えばいいんだから』と優しく声をかけられていました。山下さんも素直に『はい』と答えていて、希林さんとのやり取りで緊張がほぐれていったようです。飾り気のない素直な佇まいに好感を持ちました。映像には人の核となる部分が映る。そういう意味で彼女は凄く演技に向いていると思います」(同前)
映画公開直前の18年9月、樹木は自宅で永眠。山下は日刊スポーツの取材に、
「いつか成長して、また希林さんと共演できるように私ももっと頑張ろうと思っていたので、残念です」
とコメントしている。
関西弁は「見取り図の動画チャンネル」で特訓
大きな刺激を受けた樹木との再共演は叶わなかったが、ドラマや映画に出演し、一歩ずつキャリアを重ねた山下。そして今回掴んだのが「舞いあがれ!」の久留美役だった。東京出身だが、方言指導の先生から、
「(芸人の)見取り図の動画チャンネルを見るときれいな関西弁が覚えられる」
と勧められたことを明かしている。
「確かに見取り図の関西弁はコテコテではなく、穏やかさもあって、久留美にはピッタリ。撮影以外の日常会話も関西弁で練習しています」(朝ドラ関係者)
山下は女優という坂道を駆け上がっていく。