モーリンガーは、『ニューヨーク・タイムズ』などで活躍した元記者で、2000年には、ピュリッツァー賞を受賞。ナイキ創業者ナイト氏などセレブ御用達のライターを務めている。本書の印税は明かされていないが、通常の執筆料は100万ドル(約1億2500万円)とされるので、それ以上の報酬だった可能性がある。同書では、17歳の時にコカインを吸ったことや、初体験は年上の女性と賑わうパブの裏の戸外だったことまで、赤裸々に明かす。また、国王やカミラ王妃、兄ウィリアム皇太子夫妻らとの緊張関係も暴露している。
中でも王位継承順位1位のウィリアムから「メーガンを巡る口論で暴行を受けた」と告発したことや、アフガニスタンで軍務についた際、「25人」を殺害し「彼等を人間とは考えなかった」といった部分は大きな波紋を呼んでいる。
王子の“暴露ビジネス”はまだ続きそう
さらに複数個所、間違いが指摘され始めているが、その一つが、曽祖母のエリザベス皇太后が亡くなったことを知らされる場面。王子は寄宿学校のイートン校にいた時に電話で知ったと印象深く描くが当時のチャールズ皇太子らと、スイスのスキー旅行からロンドンに戻る姿がパパラッチに撮影されている。こうしたことから内容の信憑性を疑う声も出ている。
自伝の出版以来、数々のインタビューで爆弾発言を繰り返す王子は当初の原稿は800頁あり、敢えて掲載しなかった話が存在すると発言。「本当に望むのは説明責任だ。そして妻への謝罪だ」と王室に要求している。王子の“暴露ビジネス”はまだ続きそうだ。