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三菱UFJ銀行・平野氏、日本総研・翁氏「政府・日銀はアベノミクス時代の指針を見直せ」

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〈日本経済の低迷の責任を政府と日銀だけに押し付けるのは間違っています。根本的な原因は、民間企業が新しいビジネスモデルの構築やイノベーションへの挑戦、そして何よりも投資を怠ってきたことにある。長く銀行の経営に携わってきた平野も自戒しつつ、日本の経営者が過去30年に亘りとってきた事業経営戦略には大きな問題があったと考えています。端的に言えば、日本の経営者は守りに入ってしまったのです〉

4月に任期をむかえる黒田東彦日銀総裁 ©時事通信社

政府と日銀は「新たな共同声明」を打ち出すべき

 民間企業の新たな投資先の多くが国内ではなく海外に向けられている点についても、率直にこう書いている。

〈平野も国内での事業成長に対して十分な展望を持つことができず、アメリカ、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアの銀行への出資や買収など、グローバル化の流れの中で海外への投資を続けました。もちろんビジネスですから成果が見込める市場へ投資を行ったこと自体、判断は間違ってはいなかったと考えています。しかし、海外と比べると国内で新たなビジネスを創造するための投資は十分だったとはいえません。この傾向は三菱UFJフィナンシャル・グループだけではなく、メーカーも含めた日本の多くのグローバル企業に共通することです。ですから日本の経営者は国内経済の低迷を止める努力を怠ったと自戒を込めて指摘しておきたいと思います〉

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 その上で平野、翁の両氏は、

〈政策連携の開始から既に10年経ち、元々企図していた成果は必ずしも出ていないのですから、民間の提案も参考にして、政府と日銀は新総裁の下で集中的に議論を行い、「新たな共同声明」を打ち出すべき〉

 と主張する。

岸田文雄総理 ©時事通信社

「新たな共同声明」の内容を含む「脱アベノミクス宣言」の全文は、「文藝春秋」2023年3月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されている。

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