「実は、競合他社の店舗に入ろうとしている客を狙い定めて強引な“客引き”をしていました。ライバル店の近くに押しかけて挑発する。中でも、ターゲットになる店の一つは、安価路線で客層が似ている『カラオケバンバン』です」
バンバンはシン・コーポレーションが運営する大手カラオケチェーン。全国に約400軒の店舗を展開している。
小誌は今回、まねきねこ従業員がバンバン店舗の前で“客引き”行為をしている動画を入手(動画は「週刊文春 電子版」で公開)。例えば2020年10月、東京都杉並区で撮影された映像には、まねきねこ従業員がバンバン店舗に入ろうとする客の身体に触れて勧誘する姿が記録されている。
結局、客はそのままバンバンに入店。だが、強引な勧誘に立腹したのか、こう吐き捨てた。
「触ってきたから。このご時世で」
また、同時期に神奈川県大和市で撮影された映像では、バンバン店舗が入る雑居ビルに入った客をまねきねこ従業員が走って追いかけていく姿が確認できた。
シン社にこの動画について問い合わせたところ、「事実です」と明かした上で、本社管理部門の幹部社員が取材に応じた。
「私たちは各地で警察に相談していますし、相手が警察の指導を受けた事案もあった。業界団体でも問題提起したのですが、結局、まねきねこさんのこうした行為は最近まで続いています」
強引な客引き行為は、性風俗店に限らずカラオケ店であっても、悪質な場合は違法となるおそれがある。東京都や神奈川県は迷惑防止条例で〈身辺につきまとう〉〈客引き〉を明確に禁止。また、深夜帯での客引きは風営法に関わる。実際、2010年には神奈川県で深夜0時以降に「カラオケどうですか」などとしつこく勧誘したカラオケ店アルバイトが摘発されている。
まねきねこはどう答えるか
まねきねこはどう答えるか。動画の事実関係などを尋ねたところ、以下の回答があった。
「弊社では道路使用許可が得られる場所その他法令を遵守する態様にて、ティッシュペーパーをお配りするなどの方法でお客様に弊社店舗の利用をお願いするといったことは従前から行なっておりますが、2020年に何かの決定があったということはございませんし、競合他社店舗に向かうお客様に焦点をあてた施策を講じたことはありません。また、2020年に『カラオケバンバン』様の店舗に関してトラブルがあったことは事実ですが、詳細の回答はご容赦ください。繰り返しになりますが、弊社における営業施策はすべて法令を遵守する前提になりますので、万が一個別の店舗にて問題事象が発生するようなことがありましたら厳正に対処いたします」
現在配信中の「週刊文春 電子版」では、バンバンが訴える“客引き被害”、こうした行為が違法になる可能性、まねきねこ社員がとった驚きの行動、まねきねこ側の言い分の詳報に加えて、独自に入手した“違法客引き疑惑”動画を公開している。
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