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▼毛が“もったり”している方

 指通りが悪く、髪の毛に過度にオイルが付いているかのような“もったり”した手触りの方が稀にいます。見た目はしっとりしているのですが、油膜をまとっているため、ドライがいつまでも乾かない特徴があります。

 原因の一つは、椿油やポマードなど、油分の多いスタイリング剤の沈着です。これらの油分は髪に沈着しやすいので、一回のシャンプーでは流し切ることができません。そのため、毎日使用すると次第に“もったり”していきます。

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 また、シャンプーの洗い残しの可能性も考えられます。日々のシャンプーをしっかり流し切ることができず、髪に残ったシャンプーが沈着している状態です。

 これは、多毛でロングヘアの方に多く、最も髪が密集する後頭部のくぼみ(「ぼんのくぼ」のあたり)に起きやすい現象です。シャワーの水は「ぼんのくぼ」に届きにくいので、洗い流せていないまま流すのを終えてしまっていることが考えられます。

▼頭から生乾き臭がする方

 頭に洗濯物の「生乾き臭」が付いてしまうこともあります。洗濯物は一度生乾きになると、洗濯し直しても生臭さが残ります。同じように、シャンプーし直しても頭が生臭いままになります。これは、生乾き臭が雑菌の繁殖によって起きることが原因です。

 こちらも、多毛でロングヘアの方に起きやすいです。髪を乾かすのにドライヤーを使用せず自然乾燥に任せている場合、通気性が悪い「ぼんのくぼ」の水分が乾き切らず、菌が繁殖してしまうのです。

 一度臭いが付くと、殺菌消毒しないことにはなかなか取れず、かといって頭に漂白剤や熱湯をかけるわけにもいかないので、悩ましいです。

©AFLO

▼髪が絡まっている方

 髪が絡まって、解けなくなっている状態の方もいます。髪の絡まりは、ダメージ度合いに関わらず、柔らかく細い髪質の方に起きやすいです。髪の長い子供に起きることが多く、毎日のブラッシングで絡まりは解消しやすくはなりますが、絡まりやすさ自体は改善できません。ほとんどの場合、寝ている間に枕に擦れることで絡まっているため、特に後頭部が絡まりやすいです。

 美容師はカットをする時、髪をほどいてからでないと始められません。そのため、カットを始める前に髪をほどくための時間がかかってしまいます。また、絡まりが酷く、ドレッドヘアの束のようになっている場合、切り落とすしか方法がなくなります。

 美容師側からすると、無理に引っ張って痛い思いをさせたくない、かといって時間をたっぷりかけることも難しいので、来店前にクシを通しておくことを推奨します。

不潔でなければOK

 このように、美容師は普段から様々なトラブルを目にしています。ですので、施術前の髪や頭皮の状態は、見るからに不潔でなければ、美容師はなんとも思っていません。また美容師は頭皮のトラブルにも詳しいので、ご気軽に相談してくださいね。