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シャンプー台では首に力を入れてはいけない…力を入れると起きる“事故”とは

2023/02/05
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 皆さんは美容室でシャンプーをされている時、首を持ち上げられた際には、どれくらい力を入れてますか?「重いだろう」と考えて、首を上げる方も多いのではないでしょうか?

 ですが、「お客様がどれくらいの力加減がやりやすいか」と聞かれると、美容師からの答えは、ゼロです。力は入れず、体を委ねてもいいのです。そして美容師は、お客様に「首を持ち上げるのを手伝って欲しい」とは思っていません。それどころか、首に力が入るとやりにくくなって、逆効果になってしまいます。

 それって、どういう意味?

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©AFLO

首に力を入れるのは逆効果?

「お客様が首に力を入れてしまう問題」は、美容師なら誰もが経験し、苦労する、まさに“あるある”な事例です。ですが、お客様側の善意によるものなので、美容師から「やめてください」とお願いすることはほとんどありません。

 もちろん頭は重たいのですが、片手で支えるのが大変なほどの負担ではありません。むしろ、過度に首に力が入って頭が持ち上がる方が不都合になるのです。

美容室のシャンプー台は2種類ある

 シャンプー台は、大きく分けて2種類あります。その使い方から、サイドシャンプー、バックシャンプーと呼び分けられています。

 サイドシャンプーは、美容師がお客様の片側から半身が被さるようにして洗い流すスタイルです。お客様は仰向けに寝るような形になります。バックシャンプーは、美容師が真後ろに立って洗い流すスタイルです。お客様は座った姿勢に近いものと、完全に仰向けに寝るものとがあります。 

現在はバックシャンプーが主流に

▼昔はサイドシャンプー、今ではバックシャンプーが主流に

 サイドシャンプーは昔からある形ですが、今ではバックシャンプーが主流になっています。

 バックシャンプーが広まった理由は、美容師の腰の負担の軽減です。腰痛は美容師にとって深刻な職業病で、ななめ中腰になってシャンプーをすることになるサイドシャンプーは美容師側の負担が大きいのです。バックシャンプーの場合は、中腰を避けることができるため負担が少なく、美容師が座りながらシャンプーできる型も多く作られています。