更に、首の角度を下げたくても、美容師の両手の位置からでは、下方向に力を加えることができません。そのため美容師が首を下ろそうとしても、お客様が力を加えると下ろすことができないのです。
シャンプー台でのトラブルもまた“あるある”
とはいえ、お客様の首に力が入るのは「あるある」なので、どの美容師さんも、経験を重ねるうちに対処法を身に付けていきます。美容師は「お客様が首を持ち上げてしまう」ことも含めたシャンプーの技術を習得しているので、大きな事故にはならないように努めているのです。
しかし、それでもシャンプー中にトラブルを経験したことがある方も、少なくないのではないでしょうか? これは、シャンプーを担当する美容師が、見習い美容師(アシスタント)であることがほとんどだからでしょう。
▼シャンプーは美容師として最初に覚える技術
そもそも見習い美容師の修業は、シャンプーから始まります。
美容学校を卒業したばかりの見習い美容師たちは、勤め始めた美容室で、まず初めにシャンプーを習います。これはアシスタントとして手伝える技術を優先して指導するためです。
▼シャンプーは先輩のサポートを受けられない
そのため、初めて美容師としてお客様と接する機会もまた、シャンプーということになります。この時、必ず一対一での施術になるため(複数人でシャンプーをすることはありません)、見習い美容師であっても、途中で先輩のサポートを受けることができません。
それも踏まえて自分一人でしっかりできるように、また前述したような事故が起きないために、シャンプーの技術は厳しいテストを受けた上でお客様に臨むことになります。
それでも、覚えたばかりの技術をお客様に施す時には、様々なイレギュラーが起きます。どれだけ練習していてもイレギュラーへの対応はしきれず、それは実践による経験に敵いません。
気持ちいいシャンプーをしてくれる美容師は一流
業界で有名なある美容師さんは、こう言います。「シャンプーが上手な美容師は、一流になれる」。僕も10年以上美容師を続けていますが、その通りだと思います。
どうすれば気持ち良いシャンプーができるのか、ベテラン美容師の僕も日々考えています。この記事が気持ち良いシャンプー体験につながれば幸いです。