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「仕事が遅いからでしょ?」「本当に必要?」 国立病院機構グループ病院で「残業代未払い」が横行

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「支払いなし」が“当然のルール”の「前残業」とは

 とりわけ、看護師の中で“当然のルール”となっているのが、「前残業はタダ働き」だ。

「担当していた看護師からの引継ぎや、患者さんのデータを読み込む必要があり、大体30~45分ほどを要します。しかし、勤務時間には組み込まれておらず、ほとんどの看護師が自主的に早めに来て行っている。前残業分の給与は10年以上の間、一度も支払われたことがありません」(東京医療センター看護師)

 今回取材に応じた看護師で、前残業代が支払われているという看護師は一人もいなかった。

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東京医療センター内には「ハラスメント禁止」の貼り紙が

 労働問題に詳しい旬報法律事務所の佐々木亮弁護士は、こう指摘する。

「仕事に必要な資料の読み込みは労働時間に含まれ、賃金を払わないのであれば労働基準法違反になる。実際の残業時間を申請しても認めない場合も違反に当たります」

 看護師への残業代の未払いについて、NHO本部に聞くとこう回答した。

「労働実態があるものに関しては手当を支給しております。超過勤務を申請しづらいとか、出せない環境があるなど、ハラスメント感覚でいうところがあるとすれば、勤務時間管理の考え方、上司としての管理の仕方などを伝わるように教育する、そういう研修を進めております」

 2月21日(火)12時配信の「週刊文春 電子版」および2月22日(水)発売の「週刊文春」では、小誌に届いた多数の看護師の告発内容を紹介し、国会で取り上げられた看護師の労働問題に対する加藤勝信厚労相の回答や、NHOで人手不足が止まらない「3つの要因」、NHOのトップである楠岡英雄理事長への直撃内容などについて詳報する。

●「週刊文春」では今後も看護師の労働問題を報じていきます。情報提供は「文春リークス」にお寄せください。

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