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群馬大医学部が「アカハラ大量留年」問題に救済措置 担当教授の「教員としては困難」“釈明音声”入手

 群馬県前橋市の国立群馬大学医学部で、現在3年目の学生の約3分の1にあたる約40人の学生がこれまでの2年半で留年が決まり、そのうち24人が1人の教員の授業で落第させられていたことで、学生の間から「アカハラだ」との声が上がっていた問題。2022年10月23日配信「週刊文春 電子版」でこの問題を報じていたが、今回新たに、群馬大が留年が決まっていた学生の一部に救済措置をとることが「週刊文春」の取材でわかった。

 大量の落第者を出したのは、1年生向けの『医の倫理学』と1~3年生向けの『医系の人間学』という必修授業を受け持つ、服部健司教授(63)。

服部教授(研究室HPより)

服部教授の授業に対する学生の声

 医学部の現役学生が語る。

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「うちは必修科目を1つでも落とすと即留年決定で、しかも翌年は次の学年の授業を取ることができない。落とした科目の単位を取るためだけに1年間大学に通う羽目になるんですが、服部教授の授業は評価の基準がよく分からない。医療と関係なさそうな映像を見て感想を書いたり、即興演劇をしたりするだけで、試験もレポートもなしでいきなり成績が決まるんです」

 別の学生が続ける。

「服部教授は授業で学生に発言を求めますが自ら手を挙げる人はいません。変に目をつけらて留年させられることにおびえているからです。当てられやすい席とそうでない席があるので、学生たちは授業中に詰められることを恐れて、授業の前は1限目が始まる前から席取りをしています。活発な議論なんてありません」

 また、服部氏の授業を巡ってはこんなトラブルも。

「2016~21年度にかけて服部教授が担当する必修科目の単位を一度も認められず、重度PTSDの診断を受けて休学した学生もいます。大学は18年度にアカハラを認定し、その学生は現在大学を相手に損害賠償請求を求める裁判を起こしています」(大学関係者)

群馬大学医学部付属病院 ©時事通信社

「週刊文春 電子版」の報道後、医学部医学科の学友会が学生を対象にアンケートを実施。そこには服部教授の授業に対して次のような意見があった。