2022年2月24日、ロシアのプーチン大統領は隣国ウクライナに突如として軍を派遣した。世界中が戦慄した大国による「侵攻」が始まって、今日で1年が経つ。
当初はウクライナの劣勢が伝えられた。間もなく首都キーウをロシア軍が占領し、全土がロシアのものとなる――メディアは暗い未来を喧伝し、各国指導者もすでに戦後を考えていたかもしれない。しかし、1年経った今もゼレンスキー大統領のもとウクライナの懸命な抵抗が続いている。計算の狂ったプーチンの戦争はまだ終わりが見えない。
齢60を超えてなお現役の報道カメラマンとして世界を飛び回る宮嶋茂樹さんは、ウクライナで続く戦争を自身最後の“戦場”と見定め、幾度となく現地に足を運んできた。不肖・宮嶋がこの1年で見たウクライナ戦争の数々の真実を、全5回に選りすぐり、あらためて再公開する。(初出:2022年3月10日。年齢・肩書は当時のまま。全5回の第2回)
◆◆◆
不肖・宮嶋、最後の戦場取材へ――。
数々のスクープ写真で知られる報道カメラマンの宮嶋茂樹さん(60)。これまでにイラク、北朝鮮、アフガニスタン、コソボなど海外取材を数多く経験し、あまたのスクープ写真を世に問うてきた。そんな不肖・宮嶋がロシアの軍事侵攻に揺れるウクライナへ。混乱する現地で見えてきた「戦争の真実」とは?
4月5日、宮嶋さんはキーウ近郊のブチャ取材のためのプレスツアーに参加。ブチャでは、ロシア軍から奪還した後、多数の民間人の遺体が見つかっている。ゼレンスキー大統領は4日、ブチャを視察し、「戦争犯罪であり、ロシアはジェノサイド(大量虐殺)を犯した」と非難した。
不肖・宮嶋が撮った「ブチャの現実」を緊急公開する。
※注意 以下の記事には、遺体の写真や描写が含まれています
◆
【全20枚】キーウ近郊ブチャの様子の写真をすべて見る(注・遺体の写真が含まれます)
不肖・宮嶋、ロシア軍から奪還した後、多数の民間人の遺体が見つかり、ロシアによる大量虐殺が指摘されている街ブチャのプレスツアーに同行した。
しかし、信じられるか?
この中に日本の新聞記者は一人もいない。あれほど普段は「平和だ、人権だ」と息巻くテレビ局の記者も一人もいない。どないした? この明らかな重大な戦争犯罪は「調査」の必要はないんやろか?
今回のブチャ取材は「潜入」やの「独占」やのと違うぞ。プレス・ツアーや! 希望したら、国籍問われず参加できるんやで。大量虐殺の現場にや。