基礎自治体である市区町村は、それこそ出生から死亡までの人の一生に関わる業務を行っています。また、対応する相手も、高齢者、障害者、児童生徒、青少年、経営者など、本当に様々なのです。さらに、住民だけでなく事業者・関係団体などもあります。
ある種の「開き直り」も大事な能力
このように考えると、公務員として求められる能力の1つは、相手に応じた話し方ができることと言っても良いかもしれません。担当する業務には目的があって、そのために住民に対して話をすることになるのですが、対応する住民は本当に幅広いわけです。このため、公務員としては、相手に応じて上手く話し方を使い分けることが、どうしても必要になってくるのです。
ただ、使い分けができたとしても、相手がどのように受け止めるかは、別の問題です。同じ話をしているのに、Aさんには怒られるものの、Bさんには褒められるようなことが、普通にあり得るからです。結局、こちらの話をどのように受け取るかは相手次第です。その意味では、「自分はできる限りのことはするけれど、それが成功するかどうかはわからない」といった、ある種の開き直りも必要なのかもしれません。
ちなみに、公務員としての経験が長くなればなるほど、どのような人が来てもだんだん驚かなくなってきます。まだ経験が少ない時は、「え~、この人にどのように話せば良いんだろう」と思うようなことは、よくありました。しかし、さすがにいろいろな人と接するうちに、慣れていってしまうものなのです。これも、公務員になることのメリットなのでしょうか。
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