薬物所持の罪で判決を受けた直後に再び薬物に手を出したとして、覚せい剤取締法違反(所持、使用)の罪を問われている元KAT-TUNの田中聖被告(37)に対し、2月27日、懲役1年4カ月の実刑判決が下った。
執行猶予付きの判決直後の犯行とあって、再犯の恐れも強いとして検察は2年の実刑を求刑していた。田中被告は法廷で「2度と再犯しない」と語り、弁護側はその決意に免じて進行猶予付きの判決を求めていたが、訴えは通らなかった。
覚せい剤の所持という罪をふたたび犯したために、ついに塀の向こうに落ちることになる。前回の逮捕、裁判、判決のあと、田中被告はいかにして再犯に手を染めてしまったか。転落していく田中被告の足跡を追った、当時の記事を再公開する。(初出:2022年7月4日。肩書・年齢は当時のまま)
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「今夜は空いてないの?」「今から判決 一応23時とか24時に着くからそれぐらい目安で」(名古屋地裁・判決当日の田中聖容疑者のLINEより)
後悔を口にした言葉は嘘だったのか。
6月20日に名古屋地裁で懲役1年8カ月・執行猶予3年を言い渡されてから、わずか9日後の“再逮捕”だった。千葉県警は6月29日、JR柏駅前のデッキで覚せい剤を所持していたとして、人気アイドルグループ「KAT-TUN」の元メンバー田中聖容疑者(36)を覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕した。田中容疑者は2日後の7月1日に千葉地検松戸支部に送検されている。
「きちんと背負って償っていこうと思っています」
「29日の午後5時半ごろ、警察官が駅前で不審な挙動を繰り返す田中容疑者を見つけました。声をかけた警察官を、田中容疑者は無視。怪しんだ警察官が令状を取って所持品検査を実施したところ、田中容疑者のズボンの腰辺りから覚せい剤入りの袋が発見されたのです。発見から逮捕まで、身分証の提示を拒否して4時間以上にわたって柏駅周辺を逃げ続け、パトカーが複数台出動して追いかけまわす“大逃亡劇”だったようです」(社会部記者)
田中容疑者は2001年にKAT-TUNでデビューし、史上初の東京ドーム8日間連続公演など黄金期を築いたが、2013年に脱退。その後はソロで音楽活動を続けていたが、今年2月24日に愛知県警に覚せい剤所持の疑いで逮捕されていた。
3月に入って使用の疑いで再逮捕されたが、3月25日に保釈された後には田中容疑者は自身のYouTubeチャンネルで「自分自身の弱さ、甘えだと思っております。きちんと背負って償っていこうと思っています」と深々と頭を下げ、家族やファンに謝罪していた。ようやく更生に向けた一歩を踏み出すかと思われたが――。
判決を受けた直後に向かったラブホテル
その田中容疑者が6月20日に執行猶予判決を受けた直後に向かった先は、柏市内のラブホテルだった。ラブホテルで待っていたのは田中容疑者のライブ映像などを見て約1年前からファンになり、今年の1月頃から逢瀬を重ねていた40代のA子さんだ。取材班の前に帽子とマスクで顔を隠しながら現れたA子さんは、田中容疑者を支えきれなかったと苦悩の表情を浮かべながら重い口を開いた。
「20日の判決直前に暇だったのか、久しぶりに聖の方から『今夜は空いてないの?』とLINEが来たんです。『まだ裁判中? 会えると良いなー』と返すと、『今から判決 一応23時とか24時に着くからそれぐらい目安で』と返事が来て、聖の実家近くの、いつものラブホテルで会いました。
さすがに裁判は緊張していたみたいです。『保釈金も家族に払ってもらったし、これ以上迷惑はかけられない。申し訳ない』と反省してる様子に見えました。『必ず金は返すんだ』という話もしていたので、まさか9日後にまた逮捕されるとは思いませんでした……。どうして再びクスリに手を出してしまったのか、不思議で仕方ありません。本当にショックです」