静岡県牧之原市で1月16日に、40代の母親が13歳の娘に刺され死亡した事件について、警察は3月1日、少女を児童相談所に送致した。
警察はこれまで、事件の経緯や家庭環境などについて慎重に調査を続けてきたが、娘が母親を刃物で切り付け殺害した事実を認定したという。
事件の直前、2人は娘がスマートフォンを使い過ぎていることをめぐり口論となっていたとみられている。
親子2人の関係は周囲にどのように映っていたのか。地元で浮いていたという母娘について、当時の記事を再公開する。(初出:2023年1月21日。肩書・年齢は当時のまま)
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「夜中の12時頃にパトカーが来たのはわかりましたが、明日は仕事で朝早いので寝ようと思ったんです。だけど人の話し声が外から聞こえてきて、うるさくて眠れない。『参ったな』と思いながら外に出てみると、既に自宅前には規制線が張られていて、警察官が20人ぐらいいて救急車も止まり、物々しい感じになっていました。ただ事じゃないと思いましたね」(近隣住民男性)
SNSの使い過ぎを母親から注意され…
静岡県牧之原市の民家から16日午後11時50分ごろ、「家族が刃物で刺された」と110番通報があった。駆け付けた警察官らが複数の刺し傷がある40代の母親が倒れているのを発見。すぐに病院に搬送されたが、まもなく死亡が確認された。警察は、その場にいた中学1年生で13歳の娘に事情を聞いたところ、母親を刺したことを認めたため、児童相談所に通告している。ただ娘は殺害に関わっていたとしても、法律上「触法少年」となり、刑事責任が問われることはない。社会部記者が解説する。
「トラブルの発端は、スマホでのSNSの使い過ぎを母親から注意されたことだったようです。母親が激しく娘を叱責し口論になった後、娘は母親が寝ている時間帯に部屋に入り、犯行に及んだとみられています。母親は2階にある自室のベッドに仰向けで倒れていて、首付近には深い刺し傷があった。なかには頸動脈に達していた傷もありました。自宅からは、犯行に使用したとみられる血のついた包丁も押収されています」