文春オンライン

あの時本腰を入れていれば…「ルフィ事件」被害拡大の裏に日本の警察の“怠慢”

note

「今村が19年、渡邉ら3人が21年にフィリピンの入管に拘束され、警視庁は警察庁を通じてフィリピンに身柄の引き渡しを求めた。だが、渡邉らは元妻など協力者に虚偽の告訴をさせたため、フィリピン側は国内で別の事件に関与したとして、引き渡し要請に応じなかった」(警視庁関係者)

 

 その間、4人は賄賂の横行する収容所内でスマホを入手。「ルフィ」や「キム」などテレグラムのアカウントを使い分け、犯行を続けた。特殊詐欺に加え、やがて強盗にも手を広げる。

日本の警察が本腰を入れて外交交渉をしていれば…

 ルフィたちは縦割りの警察組織の間隙を突いた。

ADVERTISEMENT

「関連事件は少なくとも14都府県、20件に及んでいた。京都府警など、フィリピンを発信源とする『ルフィ』なる指示役を把握していた警察本部もある。しかしそれらが共有され、渡邉や今村たちの存在と繋がるには、かなりタイムラグがあった」(前出・記者)

 結果、ルフィの犯行に歯止めがかからず、死者を出してしまう。

「その後、日本側がフィリピンに引き渡しを要求したら、渡邉たちのスマホは押収され、虚偽告訴も退けられた。マルコス大統領が資金援助を求めて来日するタイミングでもあったが、日本の警察が本腰を入れて外交交渉をすれば、もっと早期に身柄の移送を実現できたのではないか」(警察OB)

露木警察庁長官

犯罪に加担する者をどう減らしていくか

 被害がここまで拡大した裏には、警察の“怠慢”があったのだ。今村から強盗事件の盗品を受け取っていたとされるフィリピン人の女も日本にいたが、

「今年2月に逮捕状を取った時には、既に帰国されていた」(捜査関係者)

 一方、ルフィ逮捕後も強盗や特殊詐欺が後を絶たない。2月3日、いわき市の高齢女性宅での強盗殺人事件は、実行犯もまだ逮捕されていない。ジャーナリストの多田文明氏が指摘する。

「犯罪組織の上位を摘発できるに越したことはありませんが、加担する者をどう減らしていくかも重要。実行役の入り口となる闇バイトに目を光らせる対策など、携帯会社を含めた官民一体の努力が必要です。実行役を確実に捕まえ、加担すれば必ず逮捕されることを徹底して周知すべきでしょう」

 地道な捜査に、警察の威信がかかっている。

あの時本腰を入れていれば…「ルフィ事件」被害拡大の裏に日本の警察の“怠慢”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー