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「なぜ氷にたくさん手をついたか、少しだけ宮城県民として説明させてください。ここは宮城県民、仙台市民、すべての人々にとって本当に特別な場所です。ここは……ここは遺体安置所だったんです」

 その場所で演技をする葛藤にも触れつつ、こう続けた。

「3月11日という日に演技をして、ここに氷を張っていいのだろうかという戸惑いはすごくすごくありました。ただ、震災に関わらなかった人も震災で苦しんだ方々も、ちょっとでも、希望だったり優しさだったり、そんな時間ができたのではないかなと思っています。今日という日を皆さんの前で、この会場で迎えることができたのは少しでも意味があるものになったのかなと自分を肯定できます」

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 12日の千秋楽の公演後には、「これからも、こんなちっちゃな体ですけど、いろんなことを背負って毎日毎日、スケートのためだけに日々を過ごしたい」と語った羽生。長年の思いをぶつけたショーを終えて、決意を新たにした。