侍ジャパンにとっての“最大の障壁”
さて、アメリカに乗り込んだ侍ジャパン。イタリア戦後、選手たちはすぐさま空港へと向かいチャーター機に搭乗し13時間のフライトを経て、現地時間の17日午前3時前にフロリダ州マイアミに到着した。準決勝は、3日後の20日19時(日本時間21日8時)にプレイボール。薮田氏は2006年の自身の経験から、障壁は“時差ボケ”であり、それをいかに克服するかが重要だと説明する。
「僕の時も結構きつかったんです。行きの飛行機の中で調整したり、また現地でも試合時間に合わせて、寝ないようにしたり、あるいは早めに寝たり、いろいろ考えながら調整したのを覚えています。何とか僕はコンディションを合わせることができましたが、人によってそれができるかできないかは個人差があると思いますし、少なからず影響は出てくると思います。その点を考えると、アメリカで1次ラウンドと準々決勝を戦ったチームの方がアドバンテージはあるでしょう」
またよくメジャーのマウンドは硬いといわれるがその点に関してはどうだろうか。薮田氏はWBCのほかに、MLBカンザスシティ・ロイヤルズで2年間プレーした経験を持つ。
「確かにメジャーのマウンドは硬いんですけど、近年は日本のスタジアムもマウンドを硬くしている傾向があるので、以前ほど違和感はないと思います。それよりも問題は湿気ですよね。マイアミは高温多湿で、今の時期も30度以上あると聞いています。開閉式の屋根のあるスタジアムで、おそらく当日は閉めて開催するとは思うのですが、それでも湿気はあるのでピッチャーはボールの感覚が変わってくる可能性が高い。そこは多少なりとも影響してくると思いますね」
そして冒頭で語っていた、これまでとは違うスタジアムの雰囲気。準決勝の相手はメキシコ。フロリダは中南米・カリブ海諸国へのゲートウェイであり、現地に住む人はもちろん、海を渡り応援にくる人も多く、日本にとっては完全アウェーになることが予想される。