圧倒的な実力を見せつけ、WBC1次ラウンド無敗での1位通過を果たした侍JAPAN。国内外から豪華メンバーが集結した日本代表選手たちを、かつて日本の優勝に大きく貢献した川﨑宗則氏はどう見ているのか――。
◆◆◆
侍JAPAN躍進の原動力
――WBC1次ラウンドで日本は4戦全勝。準々決勝でイタリアと対戦することが決まっていますが、ムードがいいですね。この原動力になってる選手は誰だと思いますか? 大谷? それともヌートバー?
川﨑 栗山監督です。
――監督ですか!
川﨑 野球の監督って、企業にたとえれば社長だったり、家庭では大黒柱の役割を果たすわけです。監督がどういう姿勢でチームをマネージメントしていくかでチームの雰囲気は驚くほど変わるんです。
――栗山監督のどういったところにマネージメント力を感じますか。
川﨑 試合前の練習、それにダグアウトの様子を見ていても、積極的に選手に声をかけていってますよね。これって大事なことで、監督が前のめりだと、選手にもそれが伝わります。それは視察、招集の段階から変わってないと思います。
――たしかに、去年のシーズン中も熱心にいろいろな球場に視察に行ってましたね。
川﨑 特に、メジャーリーガーを4人、チームに加えたのは大きかったと思います。失礼ながら、栗山監督はそこまでアメリカの野球には詳しくはなかったと思うんですが、謙虚に、実際にアメリカに足を運んで大谷選手、ダルビッシュ投手を口説き落としたわけです。そこにヌートバー選手が加わって、これが大当たりしてるわけじゃないですか。彼らの加入は本当に大きい。
――ダルビッシュ選手はキャンプの段階から積極的に食事会を開催して、チームビルディングに貢献してましたね。
川﨑 雰囲気づくりの重要性を分かってるんですよ、ダルビッシュ投手は。そこに大谷、ヌートバー、移籍したばかりの吉田正尚選手が帰国して、一気にムードが明るくなりましたよね。良いチームで戦うこと、選手はこれが何よりうれしいことですから。