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〈大谷翔平でもヌートバーでもない…〉「ゾーンに入ってきてる感じがします」川﨑宗則が断言した侍JAPANの“意外なキーマン”とは

川﨑宗則インタビュー

2023/03/14
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勝ち進むために大切なことは?

川﨑 試合をする以上、選手は勝敗に当然こだわるわけですが、今回のチームは、すでに勝ち負けを超越しちゃってる感じがします。大谷選手やヌートバー選手の表情を見ていると、野球そのものを楽しんでる感じがしませんか?

――めちゃくちゃします。

川﨑 結果として優勝が出来ればいいですが、それ以前に大切な価値があることが分かります。これはダルビッシュ投手も言ってましたが、WBCで出会った仲間と、3月という時期に野球を一緒に楽しめるということが、最高のご褒美なんじゃないかと。そういう意味で、もう最高のチームになってるような気がします。

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――ものすごくいいムードのなかで、4番を打つ村上宗隆選手のバットが湿っているのが気になります。心なしか、表情も……。

WBCでは不振が続く村上宗隆選手だが…… ©文藝春秋 

川﨑 村上選手は、ものすごくいい経験をしていると思います。これでもし彼がボコボコ打ってたとしたら、彼の思い出には深く残らないんじゃないですか? 大谷選手の後ろで4番を打つ、この重圧、葛藤。きっと、このプレッシャーを村上選手は一生、忘れないと思います。そしてそれは間違いなく彼の成長につながると思うし、だからこそ、彼は素晴らしいWBCを経験していると僕は思いますね。

――それにしても、大谷の後の4番って、大変ですよね。

川﨑 本当にそれは僕としても強調しておきたいところです。でも、打撃練習を見てると、調子自体は良さそうなんですよ。でも、野球の不思議なところは、調子が良かったとしてもヒットが出ないことがあるわけです。それでも試合を重ねていけば、どこかで勝利につながるようなヒットが出てくる。野球では、ずっと打てないということもありませんから。こういう楽しみ方だって、あるんです。