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日本代表選手の“変化”

――今回は「楽しむ」というのがキーワードになってる感じですね。

川﨑 これまで、WBCでは勝つことが強調されてきた面があったと思います。でも、今回のダグアウトを見てると、素晴らしい男たちが「JAPAN」のユニフォームを着て、一緒に野球を楽しむというメッセージを発信している。ある意味、僕も勉強になってますよ。

――マスコミもファンも影響されるかもしれませんね。楽しみ方について。

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川﨑 でも、メディアのみなさんは、勝つことで盛り上がれますから、それでいいと思いますよ。ファンのみなさんは、球場での地鳴りのような盛り上がりを聞いていると、もう存分に楽しんでる感じがしますよね。

選手自身が野球を楽しんでいる姿が目立つ ©佐貫直哉/文藝春秋

――ここからは準々決勝、準決勝、そして決勝まで行ったとして最大3試合。ノックアウトステージに入ってくると、大切になってくるのはどういった要素でしょう。

川﨑 基本的に日本の野球の持ち味は、投手を中心に、堅い守備を武器にした失点を抑える野球です。そこはブレてない。ところが、今回は打撃のパワーがある。大谷選手の度肝を抜くホームランもありましたし、牧選手もホームランを打った。つまり、点数の取り方にバリエーションがあるんです。準々決勝以降は、足を絡めつつ、日本らしい細かい野球で点を取りに行く野球が見られるんじゃないかと期待してます。

――そういう意味では、これまでの日本とは違った野球が見られてますよね。パワーでも、雰囲気でも。だから、大会前の想像よりも盛り上がっている。

川﨑 僕の眼からは、栗山監督を筆頭に選手たちが目標を共有し、互いを励まし、プレーボールからゲームセットまで、最高の瞬間を楽しんでいる男たちに見えます。彼らが楽しんでるパワーも強いから、それを僕たちがもらってるんですよ。彼らは、侍ジャパンであり、野球少年です。

――野球少年?

川﨑 そうです。みんな童心に帰って野球を楽しんでます。そんな野球少年たちのプレーを、僕も勉強したいし、最後まで楽しみたいです。