昨年11月マンションの隣に住む唐田健也さんに暴行を加え殺害したとして逮捕された楠本大樹容疑者。事件の捜査は今も続いているが、楠本容疑者の逮捕は思わぬ余波を呼んでいる。

 必要な事項を十分確認しないまま楠本容疑者に生活保護費を支払ったとして、警察が大阪府堺市中区の生活保護課に勤める20代から50代の職員4人を“不正支給”の疑いで書類送検したことがわかった。

 認否はそれぞれだというが、生活保護支給の現場で一体なにがあったのか。楠本容疑者はその素行の悪さで地元では広く知られていた人物だった。それが区役所のカウンターで凄んでいたとしたら――。

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 楠本容疑者が地元でいかに横暴な振る舞いをしていたか、当時の記事を再公開する。(初出:2023年1月14日。年齢・肩書は当時のまま)

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 隣人は選ぶことができない。夜中にインターホンを鳴らして難癖をつけてきたり、大声で騒ぎ立てたりするなどハタ迷惑な行動をとって、警察が駆け付けることになったとしても、追い出すことまでは難しい。

隣人に暴行を加えていた容疑者

 大阪府堺市の自宅で遺体で見つかった唐田健也さん(63)の生前に、繰り返し殴る蹴るなどの暴行を加えていたとして、大阪府警は4日、隣の部屋に住む楠本大樹容疑者(32)を暴行容疑で再逮捕した。発見された唐田さんの遺体は全身に殴られた痕があり、肋骨が何カ所も折れた状態だった。

逮捕された楠本大樹容疑者 本人Facebookより

 当初から府警は唐田さんが何者かに殺害されたと断定し、殺人容疑で捜査を進めていた。楠本容疑者は唐田さんに生前繰り返し暴行を加えていたことから、府警は唐田さんの死に楠本容疑者が関わった可能性も視野に入れて、調べを進めている。

 楠本容疑者はトラブルメーカーとして有名だったという。冒頭の隣人トラブルは楠本容疑者の近隣住民から寄せられたものだ。だが、迷惑していたのは隣人だけではないようだ。事件現場近辺の住民が話す。