昨年6月、広島県海田町の事務所で竹内義博さん(71)が監禁後に暴行を受け死亡したとみられる“遺体なき強盗致死事件”。この事件には、男女7人が関与している。そのうち門美帆子容疑者(44)を含む女性ら5人が、「回収屋」を名乗る全身タトゥーの今泉俊太容疑者(32)ら2人に竹内さんからお金を取り返してほしいと依頼したことで事件は起きた。彼女たちはなぜ凶悪な「回収屋」に頼る選択をしてしまったのかーー。(#3を読む)

    門容疑者

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「門を筆頭に、筋の悪い女軍団でした」

 まずは事件を振り返る。門容疑者ら5人は、竹内さんから「ビットコインを運用して、預けた現金の10%を毎日配当し、元金を2.5倍にして返す」という投資話を持ちかけられ、それぞれ約90万円~約2000万円、総額4000万円超を預けたという。しかし、2022年5月ごろから配当が滞ったことで、門容疑者らは返金を求めるため「回収屋」に“仕事”を依頼した。

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 同年6月1日の午後6時ごろ、今泉容疑者らはレストランに竹内さんを呼び出した。しかし、返金に応じてもらえなかったため、海田町にある竹内さんの事務所へ移動し、午後8時ごろから16時間に及ぶ暴行を加えた。そして2日の午後1時ごろには、遺体となった竹内さんを毛布にくるみ車に移動させ、翌3日までに埼玉県秩父市周辺に遺体を遺棄したとみられている。

 逮捕された女性らは、「話し合いで詐欺師からお金を取り返してくれると思った」と取り調べで話すなど、ここまでの極悪非道な犯罪を想定していなかったとみられる。しかし、彼女らを知るAさんは、「門を筆頭に、筋の悪い女軍団でした」と明かす。

門容疑者(左)

「門は中学の後輩と結婚して、娘と息子がいます。周囲からは“みほちゃん”と呼ばれていました。元銀行員で、最近ではモデル活動をやったり、レポーターと称して映画などをブログで紹介したり、 “ミスリーグ”という地域を盛り上げる団体に所属するなどしていたみたいです」

 表向きは華やかな生活を送っているようにみられた門容疑者だが、Aさんは「彼女には“裏の顔”があった」と続ける。