「FC店はほぼ全てが赤字です」
別のFCオーナーが明かす。
「この日、森野さんが我々の前で、『今後、ロイヤリティを軽減することはない』と表明しました。FC店はほぼ全てが赤字です。自己破産寸前の人も多い」
2023年1月13日。追い詰められた現在FC店を運営している21名のオーナーのうち18名が連名で、代理人弁護士を通じて、乃が美本部に「要望書」を内容証明で送付した。求めたのはロイヤリティの引き下げである。
すると、これを受けた乃が美の本部は“強硬手段”をとった。
「ロイヤリティ支払いが遅滞しているオーナー会社6社に『契約解除』を通告してきたのです。契約を解除された会社は、発注システムの停止とともに、パン作りに必要な粉の供給も止められました」(同前)
一方的に契約を解除されたFCオーナーたちは、2月20日、乃が美が契約解除を取り下げる仮処分を大阪地裁に申し立てたのだった。
乃が美に事実関係を尋ねる質問状を送ったところ、法務部が回答した。
——昨年12月26日のオーナー会議で森野氏が「ロイヤリティを軽減することはない」と表明した理由は?
「ロイヤリティを引き下げないと表明した事実はありません。また、弊社が提示した条件を承諾したFCオーナー様のロイヤリティについては、現に引き下げを行っており、弊社が約束に違反した事実はありません」
——今回、6社のオーナーが契約を解除された。その理由は?
「弊社がフランチャイズ契約を解除した理由は、フランチャイズ契約の解除事由に該当したことに基づいています」
その上で、FCオーナーとの関係について、こう述べるのだった。
「弊社としては、FCオーナー様との信頼関係を前提として、本部とFCオーナー様が共に繁栄できる関係を維持・発展させたいと考えています」
現在配信中の「週刊文春 電子版」では、乃が美で起きている“泥沼内紛劇”の詳細を報じている。FCオーナーたちが訴える窮状、愛車がマイバッハの森野会長の暮らしぶり、森野氏との一問一答、乃が美本部の見解などに加え、FCオーナーたちに森野氏が発言した「銀行に金なんか返す必要ない」音声を公開する。
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