ウルグアイ戦では変化を見られなかった
――チームとしては初戦、及第点をあげられる感じですか。
城 カタールW杯を終えて、新たなスタートになるんですけど、今回は1週間ぐらいしか時間が取れないので、最初は慣れたシステム(4-2-3-1)でということだと思うんです。そこに何を積み重ねていくのかという部分については、ほとんど何も見えなかった。ビルドアップからどう連係して崩していくのかという点もそうですし、セットプレーもそうですね。コーナーキックは何の工夫もなかった。名波(浩)コーチや前田(遼一)コーチが入ったところの変化も特に見られなかったですね。
――ウルグアイ戦は、4-2-3-1で通しましたが、W杯の時にように選手を入れ替えることでシステムを柔軟に変更させていくことはできないのでしょうか。
城 いや、それはやればいいし、今後やっていくべきだと思いますね。前半のように前でFWが起点を作れないのであれば、2トップにしてもいい。W杯でも5バックにしたように、そういう変化をしながら戦うのが今の時代だと思うけど。
個人的には、今回の2試合は勝ち負けはどうでもいいと思っていて、選手の組み合わせや選手がどんなアピールをするのかを見るのが目的のひとつだと思うんです。でも正直、何をしたいのか、試合からは見えてこない。
――攻撃の上積み、新戦力の発掘に関しては、指揮官に物足りなさを感じてしまうということですか。
城 代表の目標は、次のW杯でベスト8入りをする、新しい景色を見るということじゃないですか。そこに向かっていろんなことを試して、上積みしていかないといけない。そのためには、こうしていきますって、森保さんが正直に言えばいいと思うんですよ。「勝利するのが一番ですけど、いろんな選手を試して、いろんなチャレンジをしていきたい。申し訳ないですけど、今回は勝ち負けではなく、いろんなことを試すところを見てほしい」と。そうすれば、ファンやサポーターも大きな視点で見てくれるし、応援してくれると思うんですよ。
でも、この試合を見ている限り、森保さんは、そこに振り切れていない。別にウルグアイに絶対に勝たないといけないわけでもないですし、キリンカップで優勝しなきゃいけないわけではない。代表の試合だから勝たないといけない、という気持ちが強いんだと思うけど、今はそういう時期じゃない。
――次のコロンビア戦に期待することは。
城 次の試合は、思い切ってメンバーを変えて戦ってほしいですね。それで何が起こるのかを見せてほしい。毎回言っているけど、森保さんは呼んでも使わない。練習と試合では違うし、試合でどうなるのかが大事なわけじゃないですか。同点ゴールを決めた西村のように、こういう選手が出てこないと既存のメンバーに刺激を与えることができないと思うんです。
次は、両サイドバックに新招集の半田(陸)とバングーナガンデ(佳史扶)を思い切ってスタメンで起用するとか、町野を1トップで試してみるとか、これがやりたいんだという森保さんの覚悟と姿勢を見せてほしいと思います。
取材・文=佐藤俊