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“崖っぷち”から155キロの剛球再び。ヤクルト・星知弥の復活にワクワクが止まらない

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/04/05
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「僕のストレートは、決めに行ったときは空振りを取れる」

 3月31日の開幕戦では、4点リードの9回に登板。先頭の菊池涼介を変化球でセンターフライに打ち取り、続く田村俊介の5球目には155キロを計測する。その田村をカウント2-2から154キロの直球で見逃し三振に仕留めると、最後は小園海斗を同じ154キロのストレートで空振り三振。

 星はかつて「僕のストレートはちょっと甘く入ってもファウルを取れますし、決めに行ったときは空振りを取れるんで」と話していたことがあったが、その言葉を彷彿とさせるように、この日は8球投げたストレートをフェアグラウンドに飛ばされることは一度もなかった。

良い意味で「ちょっと使いどころに困る」と髙津監督

 開幕第3戦も、前述のとおりピンチを招きながらも無失点。開幕戦の後で「星は非常に状態がいいので、良い意味でちょっと使いどころに困ってます。このまま好調が長く続けばいいでしょうけど、いつかやられる時も絶対来ると思うので、いろんなことを想定、想像しながら、他のピッチャーとの兼ね合いも考えながら彼を起用していこうと思ってます」と話していた髙津監督は、この日は「今の球を見れば本当に勝ちゲームで使いたくなるような球ですし、継続して『また次、また次』っていう感じで頑張ってほしいなと思いますね」と、星に対する評価は登板ごとに高まっている印象がある。

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「自分のボールに対して、やっと自信が持ててきてるのかな」

 今季のヤクルトはここまで左腕の田口麗斗が抑えを務め、8回は清水昇、7回は石山泰稚をセットアッパーに据えている。星はセーブシチュエーションではなかった開幕戦では9回、第3戦では1、2戦と連投してベンチから外れた清水の代わりに8回のマウンドを託されたが、今後はどのような場面で起用されるのか──。いや、たとえどんな場面であろうとも「自分のボールに対して、やっと自信が持ててきてるのかなと思います」と、身体の不安なく思いっきり腕を振りまくる星知弥のピッチングには、ワクワクが止まらない。

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