「人を笑顔にする仕事がしたいです」
5年前、将来の夢をそう語っていた美人女子大生が、なぜ……。
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詐欺の電話をかける“かけ子”に
3月10日。マニラ近郊のパラニャーケ市に潜伏していた若い男女が、フィリピンの入国管理局に身柄を拘束された。その1人が熊井ひとみ容疑者(25)だ。渡邉優樹容疑者(38)をボスとし、強盗にも手を広げた特殊詐欺組織“ルフィグループ”の末端メンバーだった。
「熊井は現地から詐欺の電話をかける“かけ子”。昨年9月に日本で逮捕状が出ていた」(社会部記者)
実家は東京都三鷹市。鉄筋3階建ての邸宅を建てた高知県出身の祖父は、高知県議を5期務め、旭日章も受章した名士だった。会社員の両親のもと、熊井は3人きょうだいの末っ子として何不自由なく育った。
「小学校時代の夢は『通訳』。中学ではボランティア活動に取り組むJRC部でした。子供の時からかけっこが速く、都内の高校に進学後は陸上部に入ったそうです」(地元の同級生)
大学時代に“ミスコン”に出場し変貌
高校卒業後、熊井は2浪して多摩美術大に進む。転機が訪れたのは、その夏のこと。全国の大学新入生を対象とした「フレッシュキャンパスコンテスト」に応募したのだ。友人が語る。
「1次エントリーの面々を見て、『この子たちより可愛いよ』と周りから持ち上げられた熊井さんは、2次エントリーに応募。するとファイナリストに選ばれたんです。審査期間中は『周りの新入生よりオバちゃんですけど』と、年上キャラを前面に出していました」
これを機に、熊井は変貌を遂げていく。それまでファッションのデッサンを描いていた熊井は、表舞台に立つ側のモデル志向に。容姿端麗な自分の画像を中心にSNSに投稿し始めた。