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「山と湖に囲まれたこの地域には不法投棄が多くて、近隣住民らで年に1~2回清掃を行うのですが、渋谷さんの家からはいつも5人くらいの妻と娘たちが参加してくれています。おじいさん(博仁容疑者)も、高齢になる前は参加していましたよ。最近では面倒くさいからって手伝わない家庭も多いんですけど、この前の1月の清掃でも一家が参加してくれたばかりでした。

 おじいさんはいつもカウボーイのような帽子を被っていて、ジーパンとかコーデュロイのズボンを穿いていて、自分なりにお洒落に気をつかっている見た目ですね。言葉数は少なくスキンヘッドですが、いつもニコニコと優しそうな顔をしています。少しミステリアスな雰囲気があり、それで多くの妻たちを落としてきたのではないでしょうか」

自宅周辺の多摩湖 ©文藝春秋

「妻半分は働きバチ、残りは家事専門」

 近隣住民らによると、博仁容疑者が働いていた様子は全くなかったといい、高齢になってからは、自宅を出る頻度も少なくなっていたという。変わって生活を支えていたのが妻たちだ。近隣住民の男性が話す。

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外壁周りのポールには洗濯物がいっぱいだったという ©文藝春秋

「毎朝、5人くらいの妻たちが自転車に乗って、一緒に仕事にでかけていくんです。彼女らは働きバチのような役割ですね。恰好は統一されていて、全員が帽子を被って、その上にフードを被り、コロナ前からマスクをして顔を隠していて異様な光景でした。ラフな格好で、接客をやっている雰囲気はなかったなあ…。

 残りの妻たちは家事が専門で、一家で役割を分担しているようです。毎日大量の洗濯物を干していたり、幼い息子を自宅前の空き地で遊ばせているんです。その時も母子の他に、必ず1人の見張り役がいて、周囲を警戒している変な様子はありましたが…。

 2006年の事件後は、家の前に『入るな!』と書かれた張り紙があったり、防犯カメラを10台ぐらいつけている時期もありました」