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 川村さんと南さんの自宅は直線距離にして約1.3kmほどしか離れていない。南さんの自宅アパートの窓ガラスは割れたあとなのか、一部段ボールが貼ってあった。近隣住民の男性は言葉少なにこう話す。

「(南さんは)一人暮らしだと思いますが、たまに女性の笑い声が聞こえることがありました。どんな人だったのか、付き合いもないのでよく知りません」

南さんの住んでいた部屋のベランダの窓には段ボールが貼りついていた

 2人が亡くなることとなった本笠寺駅は、それぞれの自宅から10km以上の距離がある。事件が起きたのは8日土曜日の夜。川村さんは名古屋方面行きのホームにある待合室のベンチで倒れていた。事件のあった日の夜に駅を利用した女性が語る。

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事件があったのは人通りが少ない地域の駅だった

「私は土日に仕事があるので本笠寺駅を利用するのですが、平日と比べると、夜はほとんど人がいません。このあたりは住宅が多く、夜になるとあたりは街灯も少なくて薄暗いし、人通りはほとんどないです。だから、もし事件があっても気付きにくいんじゃないかな」

 事件のことをニュースで知ったというこの女性は言う。

「このあたりは若い子が目当てにやってくるような施設もない住宅地ですから、土曜の夜にこの駅にいる理由が想像つきません。当日は近くにあるホールでコンサートが開かれていましたが、事件があった時間帯はまだコンサート中でしたし……」

 たしかに事件のあった日、最寄りの大きなホールではアイドルグループのコンサートが午後6時から約2時間半開かれていた。だが、南さんが電車に飛び込み、川村さんが刺された状態で見つかったのは午後7時45分から50分の間だった。

川村さんと南さんが最後に見た、夜のホーム

 名古屋鉄道によると、事件を受けて、この日の午後7時45分から午後10時19分まで、一部の区間で上下の列車の運転を見合わせた。地元のタクシー運転手らによると、消防車が駅前に数台集まったほか、列車が止まっているためにコンサート帰りの客で駅周辺がごった返すなど、事件当日は騒然とした状態だったという。

 前出の同級生は最後に次のように話した。

「事件のニュースを聞いたときは信じられなかったです。めっちゃおとなしい子だったので。なんで殺されなくちゃいけなかったのか本当に悲しいし、残念です……」

 18歳という若さで命を落としてしまった川村さん。自ら列車に飛び込んだ南さんとの間に何があったのだろうか。真相解明が待たれる。

刺殺された川村さん(東海テレビ「NEWS ONE」より)

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