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「覚悟をして話しています」

 その後、質疑応答。記者からは複数の質問が上がった。

——強制性交罪の時効は10年。すでに亡くなった人でも警察は書類送検をすることができる。それを求めるか?

「初めて法律のことを知った。そこまで考えていなかったので、そこは考えていない」

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©文藝春秋 撮影 石川啓次

——日本の主要メディアが報じていないことにどう思うか。

「長い間、話せなかった部分がありました。こうやって記者会見を開くことで、日本が取り上げないとしても、世界で取り上げてもらえるので、そこは覚悟をして話しています。もしかしたら、僕は顔出しをしているけど、していない人もいるので、そこは希望を持っている」

——(カウアン氏の)発言の中で、「ジャニーさんが性行為をメンバーに対して行っていたのを全く知らなかった」という部分について。本当に入所するまで他のメンバーもそれ(性加害)について知らなかったのか?

「(自分は)中学校3年生で、(ジャニーズ事務所に)入ってからネットで調べて知った。特にニュースになっていなかったので、知る余地がなかった。他のメンバーは分からないです」

――家族には話したのか。何と言っていたか。

「僕が話したのは、辞めてから。改めて話したことはなくて、性的被害とかのニュースがジャニーズ以外であったり、芸能界の枕営業について話していて、その時に『僕もあったくらいだからね』と口を挟みました。3年前くらい、コロナのちょっと前くらい。親は『えっ?』と。(ジャニー氏の性加害について)噂もあったし、それまで親には否定していたので。『本当だったの? 何で言わなかったの』と言われました。その時は深く話せないというか、僕も東京に住んでいるので、話を逸らしました」

日本外国特派員協会の様子 ©文藝春秋 撮影 石川啓次

――ファンはグループを信用したいという想い、アーティストを守りたいという気持ちがある。ファンに言いたいことはあるか。

「難しいですけど。自分の好きなアイドルとかタレントを応援するのはもちろん、続けるのはいいんですけど、そういうこと(ジャニー氏の性加害)も事実としてある。それから目を背けるのではなく、事実であることを理解した上でリスペクトして応援するのがいいと思います」

 1時間15分にわたって行われた記者会見。会見では、カウアン氏が自らの証言を裏付けるために、ジャニー氏の自宅マンションの“内部映像“を公開した。このマンションが、性加害の現場である。