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「芸能界で若くから揉まれてきたからか…」

「クセのある作家も多いなか、芸能界で若くから揉まれてきたこともあってか、物腰が低くて愛想もいい。業界関係者からは良い評判しか聞いたことがありませんね。そうした性格に加え、根っからの努力家なんでしょう。忙しい仕事のかたわら学業にも打ち込み、10年前には40歳を目前に、通信で法政大学文学部を卒業しています」

 中江が文学に打ち込むのは幼い時の両親の離婚や、15歳にして関西から上京した際に読書に支えられた経験があるからだという。

中江有里  ©時事通信社

「卒論で選んだテーマは、ハンセン病に罹り、早世した北條民雄。かなり渋くてツウ好みな作家をチョイスしています。最近では小説好きを公言する女優やアイドルも多く、カテゴライズ化されてきていますが、中江さんは別格。年間300冊の本を読むと公言するだけあって知識も豊富です。本当の小説好きなんでしょう」(同前)

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 2015年からはTBSテレビ番組審議会委員、2018年から文化審議会委員を務めており、女優という枠を超えた活躍を見せている。

「ついに腰を落ち着けたか」身内では密かに祝福ムード

 一方の初沢氏はジャーナリスティックな作品を数多くこれまで世に送り出してきた、根強いファンが多い写真家だ。上智大学文学部在学中から写真部に所属し、卒業後は広尾の写真スタジオで働いた後、独立した。

初沢亜里 ©時事通信社

 2003年には戦争直前のイラクを訪れ、写真集「Baghdad2003」を出版。2013年には沖縄に1年住み、写真集「沖縄のことを教えてください」の撮影に精を出し、その後は北朝鮮に生きる市井の人々の表情を切り取った写真集「隣人、それから。―38度線の北」を発表した。

 初沢氏は常に大手メディアが目を背けがちな被写体にカメラを向け続けてきたのだ。