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「靴下は白、下着は白」という校則は必要ですか?

――兵庫県の高校で、3年生の男子生徒(18)を、髪形の校則違反を理由に、他の生徒とは違う別室で卒業式に出席させるというニュースがありました。兵庫県教委は「適切な対応ではなかった」とのことでした。校則について現状をどう認識していますか。

のぶ 本当に無駄な労力だなと思います。もちろん、ルールは必要です。授業妨害をしないとか、人に危害を加えないとか。時間を守るというのは大事にしています。ただ、見た目についての校則はいらないと思っています。

 私の赴任した学校でも、不要な校則がたくさんありました。たとえば、「靴下は白、下着は白」がありましたが、最初になくしました。スカート丈も決まっていました。

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 そのため、最初の生徒指導部の会議で話し合いました。異動してきた先生も多いので、「この時代で、靴下が白ですか?」という意見を出しました。色付きだと下着がシャツに透けるというのが理由だったと思いますが、白い下着でも透けます。それに、現実に守っていない生徒もけっこういて、そもそも「必要ですか?」という疑問もありました。他の教員たちもその意見に乗ってくれました。

「中学生らしさ」とは一体何なのか…

――生徒手帳に書かれていない校則もありましたか。

のぶ ありますよ。とても手帳に書ききれないですから。たとえば、「中学生らしい髪形」とか。男子生徒の場合、「ツーブロック禁止」とか。そもそも、ツーブロックってなんですか? 教員が言うものと、美容師さんが言うものとは違う。基準がない。女子生徒の場合は、「編み込み禁止」とか。肩につく場合は一つ縛りと決まっていました。スカート丈も決まっていて、膝立ちをして床から3センチ以内と決まっていた学校もありました。膝が見えない高さと書かれていた学校もありました。

 校則は、規範意識を持たせることになります。特に、学校が荒れていたとき、学校内暴力があった時代に校則が厳しくなりました。「あれを許すと、これも……」となり、収拾がつかなくなるというのがあります。しかし、指導が増えます。

 ただ、スカートが短い生徒にも理由があるわけです。お下がりだから短いとか、身長が伸びてスカートが短くなったとか、結局、統一基準ですると、そういう問題にぶち当たります。

――校則が、どんな教育的な効果があるのか、その子の人生にとってどんな意味があるのか、考えている教員はいますか。

のぶ 学校が荒れないために校則があると考える人が多い。自分たちが抑えて、子どもたちが荒れないようにという考えが強いですかね。保護者の声もないわけじゃないと思いますが、校則を変えるところまで至ることはありません。