日本航空(JAL)が自社のHP上で、宿泊費に対して異常に高い比率で「マイル」が得られる旅行商品を販売していたことが「週刊文春」の取材でわかった。こうした販売手法は景品表示法に違反する疑いがある。
販売していたのはJALの子会社の旅行会社「ジャルパック」。今年1月、沖縄県那覇市内のAホテルでは、通常の宿泊料金が1万円弱のプランとは別に〈1万マイル付プラン〉があり、そちらは3万3200円で販売されていた。
商品の説明ページには次のような宣伝文句が書かれていた。
〈マイルを貯めているそこのあなた!! なんと限定で10000マイル付販売決定♪ 1万マイルを貯めるまで道のりは長いですよね・・・。でもこのプランで申し込めば あら不思議!! 1万マイルが貯まっちゃいます♪ ご予約はお早めに!!〉
ほかに那覇市内の別のホテル2軒でも同様の商品が販売されていた。だが、マイルは通常、航空各社が飛行機の利用などに伴い“無償”で付与するもので、相応の規制がある。関係法令に詳しい染谷隆明弁護士が解説する。
「一般にマイルなどおまけのポイント類は、商品等に引き換える用途のものであれば景品表示法における、いわゆる『総付景品』とされます。総付景品は取引額の20%を超えてはいけないと定められています。過熱した景品の競争で、過剰に購買意欲をかき立て、消費者を惑わさないためです。違反した場合には行政指導や措置命令がなされ、命令にも従わなければ2年以下の懲役か300万円以下の罰金と、法人には別途3億円以下の罰金が科されます」
マイルの価格は定まっていないが、例えばAホテルのケースでは1マイル1円と計算しても30%を超過。通常プランとの差額から換算して2~2.5円とすると、60~75%の超過となり、大幅な違反である。