2019年に部員による“露天風呂盗撮”事件が発生して活動自粛に追い込まれた慶應大アメフト部で、またしても巨大な“不祥事”が起きてしまった。
慶大アメフト部が4月16日から行っていた「関西遠征」の帰り道に、部員24人が飲酒していたことが発覚。部の規則では部活動中の飲酒が禁止されており、それに反したとして飲酒した部員全員が退部処分となった。また、当面のあいだ部活動は停止となるという。これにより今週末の4月29日に予定されていた早稲田大学との早慶戦も中止が決定した。
アメフト部の発表によれば、飲酒した24名のうち5名が20歳未満の未成年であり、その事態を重く受け止めて活動停止の決断に至ったようだ。
発表前日の25日夜に行われた部内のミーティングでは、大学側から「未成年飲酒には断固として強い対応を取る」と通達があり、活動停止が即決定したと部員に伝えられ、「大学側と陳情や話し合いの場はなかった」と厳しい状況が共有されたようだ。
また、自主練の禁止や新入部員の受け入れも停止され、前田晃監督は部員たちに対して「やけを起こさず、自暴自棄の行動はしないように」と伝えたという。
「飲酒の強要等のアルコール・ハラスメント行為がなかったことは確認しておりますが、教育的観点及びプライバシー保護の観点から、詳細については差し控えさせていただきます」とアメフト部は詳細を公表していない。一体何があったのか。
「明らかに誰が見てもわかるような酔っ払った状態で…」
取材班は、飲酒問題が起きた後に開かれた「保護者向け説明会」の音声データを入手。音声からは飲酒トラブルの詳細と、関係者の“思惑”が見えてきた。
慶應アメフト部は、関西学院大学アメフト部との試合のために4月16日から部員総勢113人の大所帯で大阪遠征を行っていた。そして18日、現地解散の部員らを除く約90人が、関東へ向かう新幹線に乗るために新大阪駅に集まっていた。事件が起きたのは、その「待ち時間」でのことだった。以下は保護者向け説明会での、前田晃監督の発言だ。
《全員、同じ新幹線に乗りますので、それまでの間、まあ約1時間20分ぐらいとかでしょうかね。夕食の時間を設けて、自由時間をとりました》
《87名がそれぞれ三々五々、グループに分かれて新大阪駅周辺の飲食店で食事をしております。でまあその時に、飲食をする際にですね、飲酒をしたものが相当数いたということでございます。で飲酒がですね、何故分かったのですかというところで言いますと、再集合の時間になった時に、明らかに誰が見てもわかるような酔っ払った状態で集合する者、もしくは集合時間に遅れたりして来る者などもおり、誰が見てもちょっとおかしな状態だなというのがすぐ分かる状態の者が何名かおりました》