「今日聞いている内容をですね、ここ限りにして頂きたいというとこなんです」
また、2019年10月に発覚した不祥事について言及する形で、何とか一連のトラブルが表に出ないように、保護者に“頼み事”をする一幕もあった。
《是非、皆様におかれましては今日聞いている内容をですね、ここ限りにして頂きたいというとこなんです。実は2019年の事案で最も我々が困ったことというのは、いわゆるSNSを通じた情報の拡散によって、全くハンドルできなくなったということで、最終的にあの部活の停止に至ったわけですけど。
その何気ない、部員から例えば友達へ、「今こんなことになっているんだ」とかですね。それからご父兄の間で、他の学生の、他の部のご父兄への何気ない言葉などが、本当に背びれと尾ひれがついて、すごいことになります。ですので、厳にそれを慎んで頂きたいということです。ここだけはアメリカンフットボール部、まあ残された選手たちを是非守って頂きたいと思いますので、この点のこと、すなわち情報の拡散リスク、それからレピュテーションリスクになろうかと思いますけども、これについては十分ご配慮頂きたいと思います》(田中部長)
こうした部員らの願いも届かず、アメフト部が無期限停止になった背景には何があったのか。大学側に経緯を確認すると、以下のような回答があった。
「20歳未満の飲酒は違法であり、することもさせることも許されないこと、違法行為に対しては厳正に対処することを再三にわたり注意喚起してまいりました。それにも拘わらずアメリカンフットボール部の活動において20歳未満の飲酒が発生したこと、部として未然に防げなかったことを重く受け止め、同部を活動停止といたしました」
2022年8月には元関西学院大学アメフト部の男性が“保険金殺人”の疑いで逮捕され、その1カ月後の9月には同志社大学アメフト部の4人の4年生が女子大学生に性的暴行を加えた疑いで逮捕されている。
そして、わずか3年半のうちに2度の部活動停止に追い込まれた慶應大アメフト部。このままではアメフトという競技のイメージさえ失墜してしまうのではないだろうか。
文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。
※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。