〈私、発熱す。疲れ発生か39.1度記録す〉

 この一節は、「幸福の科学」の大川隆法総裁の著作『短詩型・格はいく集(4)〈不惜身命の姿・特別編〉』(幸福の科学出版)からの引用。刊行は3月15日。生前最後に編まれた著作であり、文字通りの遺作となった一冊だ。

大川隆法総裁 ⓒ文藝春秋

大川総裁の日常がうかがい知れる“格はいく”の生々しさ

「大川総裁のいう“格はいく”とは、5・7・5の俳句の定型に囚われず、日々の風景を切り取った一種の散文詩のこと。『霊言シリーズ』とは別に、これまでに4冊刊行されている大川総裁のライフワークのひとつです。文学的な評価はさて置いて、幸福の科学のトップである総裁の知られざる日常がうかがい知れるとあって、信者はもちろんのことウォッチャーたちにとっても貴重な資料になっていました」(宗教ジャーナリスト)

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大川隆法生前最後の著作

 いわば身辺雑記の類だというが、冒頭の一句(?)がひねられたのは2023年2月5日のこと。大川総裁はそれからわずか1カ月後の3月2日に世を去った。

「2023年1月29日から2月24日にかけてのひと月に満たない記録です。宗教家として信者に説く法話や、自信が遭遇した超自然的な現象も豊富なのですが、注目すべきはやはり生前最後の言葉が書きつけてあることでしょう」(同前)

 それがまた生々しい。

〈一日何度か呼吸困難〉

 

〈呼吸困難・発熱・窒息、かと思っていたが、二時間ぐらい過ぎるとおさまってくる〉

 次の記述は2月24日のもの。つまり、公的に発表された大川氏の最後の言葉、絶筆であり遺言だ。

〈生き霊の挑戦か、それとも心臓不調の区別がわからなくなる〉

 

 死去直前まで赤裸々に記された心身の不調からは、大川総裁が何らかの病を得ていたのではないかという疑いさえ残る。だが、本の中には医者にかかったとの記録も、病名に関する言及もない。