「大川隆法先生が、肉体的にはお亡くなりになられました」
「そもそも幸福の科学は、大川総裁が死去したということを公には認めていません。複数のメディアが報じ、縁を切ったとはいえ長男の宏洋氏も大川総裁が死んだことを認めているのにです。死去から2カ月近くが経とうとしているのに、いまだ教祖の死を宗教的にどう扱うか、教団としていかに認識するかというコンセンサスがとれていないのでしょう」(新興宗教ウォッチャー)
だが信者たちの口に戸は立てられない。マスコミが大川総裁死去を報じたタイミングで、あるメールが信者たちの間で出回っていた。
〈本日(3月2日)朝、幸福の科学グループ創始者兼総裁 大川隆法先生が、肉体的にはお亡くなりになられました。
(中略)
全信者にもお伝えいただき、ご自宅でお祈りを捧げさせていただきましょう。〉
現在も教団では“復活の祈り”が続けられており、祈祷のため道場や支部に出向くと本部の人間から上記のように説き伏せられるのだという。
「かつてあれほど頻繁に『霊言』を行い、一般信者の前にしょっちゅう姿を見せていた大川総裁がこの2カ月全く出てこないのですから、どれだけ熱心な信者でも真実には気づいていると思います。総裁の死を公に認められないから、新しい総裁も立てられない。ここの舵取りを間違うと、教団へのダメージは大きいものになりそうです」(同前)
ゼレンスキー大統領や石原慎太郎の霊言を公開していたのに…
混乱の前兆は、大川氏の生前からあったと指摘するのは教団関係者だ。
「実は凶弾に斃れた安倍晋三元首相の霊言収録を事件の3日後の7月11日に行いました。大川総裁が安倍さんの守護霊を降ろし、志半ばの無念を語るという触れ込みでした。収録後、その様子を7月13日に全国の支部などで放送するはずだったのですが、それが突如中止になりました」
何か大きなニュースがあったり、名のある大物が死去した際には、間髪入れず霊言を行い、それをまとめた著作を刊行してきた幸福の科学。昨年に限っても、戦争勃発直後にウクライナのゼレンスキー大統領の守護霊にインタビューし、亡くなった直後にJR東海名誉会長の葛西敬之、作家の石原慎太郎ら各氏の霊言集を上梓している。
ビッグニュースである安倍元首相暗殺に関し、霊言を待ち望んでいた信者も少なくなかったはずだ。