安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件から1年と経たぬ間に、遊説中の政治家を狙ったテロ事件が再び起きてしまった。和歌山市雑賀崎の漁港の特設会場で、岸田文雄首相(65)が応援演説を行う直前、聴衆の中から“爆発物”が投げ込まれたのは、15日昼のこと。逮捕されたのは兵庫県川西市に住む職業不詳の木村隆二容疑者(24)だった。岸田首相には、幸いにも怪我はなかった。
カバンのなかに刃渡り13センチの果物ナイフを忍ばせていた
事件現場となった漁港の防犯カメラには、岸田首相が当日午前11時17分に現地入りしたわずか1分後、首相のあとを追うように足早に現場へ向かう木村容疑者の姿が捉えられていた。社会部記者が話す。
「木村容疑者は犯行時に持っていたカバンのなかに刃渡り13センチの果物ナイフを忍ばせていました。また、現場からは投げられた爆発物とは別にもう1本の筒型の爆発物のようなものが押収されています。自宅からは爆発物の材料なのか、粉末や金属管が新たに発見されました。爆発物は自作の可能性が高いと言えます。ある程度、準備したうえでの犯行とみて、警察は捜査を進めています」
こうした劇場型の事件は、世間の関心を呼び、事件発生直後には「木村隆二 同級生」といったワードがツイッターのトレンドになる現象まで生まれ、「同級生」を名乗る人物たちの投稿が溢れた。また、事件で使用された爆発物と似た形状の物体を、まさに事件の前日にアップしていたツイートが発見され、「これは犯人のツイッターでは?」と憶測を呼ぶなど、広大なネット空間には真偽不明のアカウントが複数拡散されている。
そんなお騒がせな犯行を計画した木村容疑者とはどのような人物なのか。