4月27日、新宿歌舞伎町のホストクラブに勤務する、源氏名「森のくまさん」こと江川誉容疑者(25)が逮捕された。容疑は売春防止法違反。ホストクラブの女性客であるA子さん(23)に、“立ちんぼ”行為をそそのかした疑いがかけられている。
これまで「文春オンライン」は、“歌舞伎町女子”が被害に遭った事件や、彼女らがさらされている危険な実態をたびたび報じてきた。その根にあるのは、ホストやコンカフェ店員などへの度を越えた貢ぎ行為だ。彼女らは時として強要され、あるいは自ら、“推し”に多額の金を貢ぐために違法売春などに手を染め、身を持ち崩している。
歌舞伎町に蔓延る女性を標的にした危険なビジネスとは――。過去の記事を再公開する(初出:2023年1月25日。肩書、年齢は当時のまま)。
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夜通し煌々とライトに照らされ、目をギラつかせた男女が視線を交わし合う日本最大のホスト街・歌舞伎町2丁目。柔和な笑みのホストは、道行く女性たちに「初回安いですよー」とフレンドリーに声をかけるが、裏では売り上げを巡る熾烈な戦いが繰り広げられている。
「早く金つくってこい!」
売掛金の“ツケ”を支払わせるため、20代の女性客をソープランドで売春させたとして1月23日までに売春防止法違反容疑で逮捕されたのは、この街で働いていた元ホスト・秋葉拓也容疑者(27)だ。
秋葉容疑者は計約1000万円の支払いを女性に要求し、女性はソープランドで得た収入の大半を渡していた。社会部記者が解説する。
女性が“沈められた”吉原のソープ
「秋葉容疑者は2021年10月以降、ホストクラブの客の女性に正規料金を水増しした“ツケ”精算を要求した上、『スカウトマンに紹介してもらってソープ行かせるから』『断るならもっとキツい仕事をさせる』などと発言していた。女性は実際に吉原のソープランドで働かされたほか、福島や愛媛、沖縄など5県のソープランドでも出稼ぎさせられていました。
一連の事件は秋葉容疑者のほか、風俗店に紹介したスカウトの宇田川直人容疑者(27)や19歳の女、女性を働かせたソープランドの経営者など計13人が逮捕される“大捕り物”となりました」
コロナ禍以降、飲食店が不況で喘ぐなか、歌舞伎町のホスト街だけは異様な賑わいをみせている。「〇億円プレイヤー」などと書かれた派手な広告のトラックが昼夜問わず走り回る光景もお馴染みとなり、近年は“ホストバブル”だとうわずった声で話す関係者もいるほどだ。
女性がホストクラブで散財して多額の借金を作ったあげく、ソープに“沈められる”という話にしてもマンガやドラマで描かれることもある。しかし現実に警察沙汰にまで発展することはかなり珍しい。女性が夢中になってしまう秋葉容疑者の“魅力”は、一体どこにあったのか。
秋葉容疑者が逮捕時に住んでいた東京・世田谷区のアパートに引っ越してきたのは、昨春のことだった。近所に住む50代の男性は、意外にも「会うと気持ちのいい人でしたよ」と振り返る。