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551日ぶりの1軍マウンドへ。 私が巨人・中川皓太投手を“推す”理由

文春野球コラム ペナントレース2023

 5月17日。551日ぶりに1軍のマウンドに上がった選手がいます。

 中川皓太投手。

 ジャイアンツファンを公言し続けている自分。昔一番困ったのが「誰のファンなのですか?」という質問でした。

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 幼少期から何年も応援を続けさせてもらっている自分にとってはどの選手も憧れのスターであり、何人もの選手が頭に浮かびます。しかし、その答えでは納得してもらえないこともしばしば。

 そんなこともあり、ある時期から山口鉄也さんの名前を挙げるようになりました。2000年代後半から始まるジャイアンツの黄金期の絶対的セットアッパーで、史上初の9年連続60試合登板を誇る鉄腕投手です。

 そんな山口鉄也さんの引退後、僕が迷うことなく推しメンとして名前を挙げさせていただいているのが中川皓太投手です。

中川皓太 ©時事通信社

瞬発力と持久力。マネできないその力

 お2人には共通する点がいくつかあります。

 ジャイアンツの左腕のリリーフエース。特徴あるフォームから繰り出されるキレのあるスライダー。そしてともにドラフト下位での入団(山口さんは育成指名、中川投手はドラフト7位指名)からスタートして、侍JAPANにまで駆け上がったところ。

 原監督をして替えが効かない選手として、当時の阿部慎之助主将とともに名前を挙げられたのが山口さんです。不安げな表情でマウンドに上がってきては、数分後に相手チームに絶望感を与えて去っていく。そんな山口さんの姿に痺れ続けていました。

 山口さんの引退後、頭角を表しチームに安心と安定をもたらしたのが中川投手です。2019~2020年のジャイアンツの連覇。そのど真ん中に中川投手は立っていました。

 僕がこの2人の中継ぎエースを推しメンとさせていただいている最大の理由。それがその登場シーンです。

 早めの回のイニング途中であればピンチの時。イニング開始時なら試合終盤の接戦時。常に球場が緊迫感に支配されている時に登場します。彼らにとっての仕事始めは、試合のクライマックスなのです。

 私が普段やっている純烈のライブでは、1曲目から徐々に盛り上げていって途中でトークをしたり、お客様の席にお邪魔したりしながらあの手この手で雰囲気を作っていって、ライブ終盤にガツンと勝負を仕掛けるという流れです。

 序盤に手を抜いているわけではありませんが、終盤の勝負をかける曲の時はやはりエネルギーを大量に消費します。ライブ開始の1曲目から、そのエネルギーを出せるかと言われたら正直無理だなと思うのです。

 それを毎登板やってのけているのが彼らです。

 相手チームが「イケるかも」という雰囲気をまとっていたり、「何とかしてやる」と怒涛の代打攻勢を繰り出してきたりすることもしばしば。

 ハードな場面で登場し、早い時には球数も1ケタで相手のムードを鎮火して去っていく。チーム状況が良ければ、ほぼ毎日その働きが求められます。

 抑えの投手も同様ですが、僕の中で抑え投手は何点取られても、どれだけランナーを出しても1点でも勝ったままイニングを終わらせればOKだと思っています。そうすればその日の勝利は確定するからです。それゆえに「劇場型」などとネットでイジられる方でも、チームからの信頼は厚いのだと思います。

 対して中継ぎピッチャー、特に勝ちパターンのセットアッパーには相手の「イケるかも」をへし折るような投球が求められていると思うのです。

 このように肉体的、精神的にかなりの負担がかかるポジションを務めているのが、僕の推しメンの方々です。

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