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在留資格がない「日本育ちの子ども」が直面する“報われない現実”とは…? 「日本の入管」問題を考える

2023/05/02

《日本政府はその人々に手を差しのべるどころか、不法入国した密航者として厳しく取り締まった。彼らを朝鮮半島へ」送り返す拠点として長崎に設けた大村収容所(現在の大村入国管理センター)が、収容施設の始まりだ。》(同記事)

 入管施設への収容を『憲法の「例外地帯」にするな』というタイトルは、現憲法が施行される前日に外国人登録令が制定され、ゆがんだまま今日まで及んでいるという意味である。

東京五輪をきっかけに「排除」

 ちなみに外国人を「治安や秩序を脅かす者として危険視するそのまなざし」は昔の話ではない。『ルポ入管――絶望の外国人収容施設』(平野雄吾)には近年、「仮放免」の許可を出さない傾向が強まっているとある。こうしたグレーゾーンが狭まる転機は2013年の東京五輪の開催決定だった。

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 外国人観光客の増加が見込まれる中、入管当局は水際のテロ対策と共に、非正規滞在者の排除を掲げ始める。「我が国社会に不安を与える外国人」と位置付けたのだ。「中でも目を付けられたのが仮放免者」だったという。

 本日5月2日は「外国人登録令」(外登令)が制定された日である。もう一度この歴史について、そのあとに続く現状について、考えてみる機会では。

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