転移がなくても、病院への支払いは結構大変
──「だいぶ苦労した」とおっしゃいましたが、経済的な面でのご苦労もあったのでしょうか。
川島 僕は幸い転移もなく、がんと腎臓の一部を切除して治療が終わりましたけど、それでも病院への支払いが結構大変でした。これでもし、抗がん剤治療とか、再度の手術とかになっていたら、経済的にもっと大変だったと思います。
僕は本当に無知で、「三大疾病」と聞いても「シッペイって何?」くらいに思っていたので、僕みたいに意識が低いと痛い目見るよってみんなに伝えたかったんです。
「ルフィーみたいな傷があるでしょ」とネタにできた
──公表前に心配されていた「笑ってもらえなくなるのでは」という不安については、どうでしたか?
川島 カミングアウトした後、初めて舞台に立つ時はすごい緊張したんですけど、自分が思っていたのとはだいぶ違いましたね。お客さんも普通に笑ってくれましたし、それまでは傷を見られないようにこそこそ隠れて着替えていたのが、堂々とできるようになって、自分自身がすごく楽になりました。「見て、ルフィーみたいな傷があるでしょ」とネタにできるようにもなりましたし(笑)。
──ネタが面白ければ、お客さんは笑ってくれるという。
川島 そうですね。がんはマイナスじゃなくて、僕にとっては、むしろ違う扉を開くいいきっかけだったと思えるようになりました。
がんを公表したおかげで、ロケの途中で50歳くらいの男性に「僕も30代で君と同じ病気したけど、今、ピンピンしてるでしょ。がんばりなよ」って声をかけていただいたり、大阪マラソンに出場した時は、後ろから走ってきて僕を抜いていった女性に「あんた、遅いよ。私なんて3ヶ月前にがんの手術したばっかりよ」って励まされたりするなど、嬉しいこともたくさんありました。