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「女の子には“キメセク”にハマる子も多いですね」

「女の子のなかには大麻を吸っての“キメセク”にハマる子も多いですね。中学生くらいの子もいますよ。あげく金に困り、『Twitterで客を探すよりも手っ取り早く、確実に金がもらえるんだよね』と立ちんぼが流行しています。1回5千円で客と寝る子もいますよ。で、性病にかかったら、Twitterのアカウント名に性病名を入れるのが流行ってて。終わってますよね(笑)」(別のトー横関係者)

 こうした変遷について危惧を抱いていたと語るのは、歌舞伎町卍会解散後、昨年7月から行政機関と連携し、トー横キッズの見守りなどをしてきた防犯ボランティア団体「オウルxyz(オウリーズ)」の代表責任者の男性だ。

 男性はトー横に出入りすることになったキッズの保護者らとも連絡を取り合っているというが、保護者からは我が子を心配するあまり、“ある切実すぎる願い”が聞こえて来るのだという。

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トー横では元々市販薬のオーバードーズが流行っていた。よく使用されていたのは青色の薬「サイレース」だという。このキッズの口元にはサイレースの青色が付いている

「売人になってしまった少年や、立ちんぼをしている少女の保護者からは『(自分の子どもが)どうか逮捕されて欲しい』といった願いを聞くことも多いです。銀座での強盗事件など未成年が絡む事件が報じられるたび、『次は自分の子がやってしまうんじゃないか』と心配しているのです。

 実際、売人になったり、特殊詐欺に関わったりして逮捕されてしまうようなキッズたちをこれまで何人も見てきました。トー横には『10万で強盗をやれ』と言われれば、後先考えずにやりそうな子は山ほどいます。我々のようなボランティア団体ではなく、本来は行政機関が解決していかなければならない問題だと思います」

 実際、今年2月には“スシローペロペロ”動画が投稿され炎上した4日後に、トー横に出入りしていた吉野凌雅被告(21、威力業務妨害罪で起訴)が事件を真似し、くら寿司で面白半分に迷惑行為を行ってSNSに投稿。その後逮捕され、激しいバッシングを浴びた。

2人の逮捕で流入する“次の怪しい大人たち”

 トー横キッズの保護者らにとっては、世間を騒がす事件を我が子が起こすことは、決して他人事ではない。

キッズに絡む内山被告。たびたびトー横で暴力トラブルを起こしていた

 男性は、徳永容疑者と内山被告の2人とも面識があったというが、2人が広場を離れることで、今後キッズたちが犯罪に巻き込まれる可能性は減っていくのだろうか。

「ある程度、犯罪に巻き込まれる危険は減るかもしれませんが、2人と敵対してトー横に寄りつけなかった怪しい大人たちが他にもたくさんいます。彼らが今回の事件を機に、トー横に戻って来る可能性はありますね。大麻が急激に蔓延したのも、ハウルが亡くなった後でした。ハウルは違法薬物を子供たちに触れさせたくなくて、2人を嫌っていましたから。

 キッズたちはもともと内気な子が多く、『こいつ怪しいな』と思ってもトラブルを避けようと表面上仲良くし、関係を持ち続けてしまう子が多い。東急歌舞伎町タワーの開業で『トー横キッズは消えた』という報道もありますが、実際は人通りが増えて目立たなくなっただけで全く数は減ってません。まだ油断はできないと思います」

 変貌を続けるキッズたち。トー横に平穏が訪れる日はいつになるのだろうか。