行き場を失った子供が居場所を求め、新宿・歌舞伎町に集う通称“トー横キッズ”。
5月16日に少女にわいせつ行為をしたとして、かつて“トー横四天王”と呼ばれた八重樫海渡容疑者(22)の逮捕が発表されたばかりだ。そしてまた、新たにキッズを監禁し親から身代金を奪い取るという、子供を犯罪に利用した非情な大人たちの犯行が明らかになった。
“トー横のまとめ役”らが少年を車で監禁暴行
警視庁は17日、被害者のトー横キッズの少年(18)に殴る蹴るの暴行を加え、車のトランクに監禁し、母親から身代金20万円を奪ったとして、自称“トー横キッズのまとめ役”徳永晋太郎容疑者(38)、暴力団員の三枝丈人容疑者(36)、トー横キッズの槙本龍成容疑者(22)、同じく高校生(18)の4人を、監禁致傷などの疑いで逮捕したと発表した。
事件の様子について、社会部記者が解説する。
「徳永容疑者らは3月6日午前3時から約2時間にわたり、被害少年を車に監禁したあげく、埼玉県の実家にいる母親に『金を払わないと車に残してきた子供の命の保証はない』などと脅したうえ、20万円を奪ったようです。本人にも『お前もう生きては帰れねえぞ』『最後に聞きたい曲はあるか』などと脅していたようです。被害少年は頭などを殴られ、全治6週間のけがを負いました」
トラブルの引き金は、大麻と覚せい剤の売上金だったという。
キッズを使った薬物売買が失敗「大人2人がキレて事件化」
「もともと被害少年は、三枝容疑者に『仕入れ代だけ払えば、利益は持って行っていい』と大麻とシャブの転売を頼まれ、これまでに10回ほど手を貸していたようです。被害少年は三枝容疑者から手に入れた薬物を、他のキッズに頼んで売りさばいていました。ただ、今回はその捌いていたキッズが売上金を使ってしまったようで、被害少年は三枝容疑者への仕入れ代8万4千円を支払えなくなってしまった。
おまけに別件で、徳永容疑者が斡旋していた特殊詐欺で売上金220万円を持ち逃げしたキッズを、被害少年が実家にかくまっていたこともあり、大人2人がキレて今回の監禁事件につながったようです。一方、同じく逮捕された槙本容疑者らは、その場に居合わせただけで犯行にはそれほど関わっておらず、反省しているようですね」(同前)
主犯とみられるトー横キッズのまとめ役、徳永容疑者は警察の取調べに対し、「キッズたちに特殊詐欺や売春、違法薬物の捌き、集団万引きをさせていた」と供述しているという。徳永容疑者らを中心として、トー横内の犯罪の温床になっていたようだ。
最近注目を集めている新宿・大久保公園で“立ちんぼ”をする女性から甘い汁を吸い上げようとしてきたのも、徳永容疑者なのだという。
歌舞伎町関係者が語る。