「パパ、ちょっと残念な報告があるねん……」
息子から阪神ファンになるという宣告を受けてから、まもなく2年になる。熱狂的とは言わないが、家で見る野球中継は阪神戦がほとんどだ。WBCがきっかけでベイスターズの牧秀悟選手も応援するようになったが、あくまでも阪神ファン。佐藤輝明選手が一番好きな小学5年生だ。そんな彼に間もなく始まる楽天vs阪神戦について聞いてみた。
今江コーチと意見が合った息子のアドバイス
「そら、悪いけど阪神が勝つわ」
即答された。去年は5月25日の甲子園での阪神vs楽天戦を2人で生観戦した。あの日初めて別々のチームを応援、辰己や浅村のホームランもあり、1―6で楽天が圧勝した。期待に胸を膨らませた小学4年生の切ない表情に少し気を使ったが、もうそれも必要ないくらいにスクスクと成長してくれている。
「なんで阪神が勝つねん。やってみなわからんやろ?」
「パパ……怒らんといてほしいねんけどな……勢いがちがうねん」
息子に気を使われている……。確かにここまでの成績を比べれば、借金11でパ・リーグ最下位の楽天と、貯金17で2位に5ゲーム差をつけ、独走状態の阪神、ぐうの音もでない。
「じゃ、楽天はどうやったら勝てるねん?」
「そんなん聞かれても困るけど、どうやったら勝てる?て僕に聞いてる時点でアカンのちゃう?」
おっしゃる通り。息子が明確な答えを持っている訳がない。
「でも……」
「でも?」
「楽天で言うたら島内選手がええ感じになったら、絶対点入るやん。浅村選手はこないだも打ってたし、ええ感じやから、やっぱり島内の調子戻ってきたら僕はいいと思うで」
先日、コーチ陣の配置転換があり、今江敏晃氏が一軍打撃コーチに就任した。交流戦を前に今江コーチが考えるキーマンを取材したところだった。
「勝つにはやっぱり投打の噛み合いが大事になってきます。打線のキーマンは島内。島内の状態が上がれば得点力は必ず上がります。交流戦になると、普段対戦のない投手になるので逆に良いキッカケになってくれればと思っています」
偶然にも今江コーチと意見が合った息子にその事実を伝えた。
「まぁなっ。普通に見てればわかる事やけどなっ」