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1枚ずつ服を脱ぎ、白く薄い下着姿で…

 こうして、印象的な目力に努力を重ねながら女優としてのキャリアを積み重ねてきた彼女だが、成長するにつれてモデルばりのスタイルになっていったこともあり、次第にセクシーな役柄での活躍も増えていった。

 その一例が、黒木メイサとW主演となったテレビ朝日系の刑事ドラマ『ジウ 警視庁特殊犯捜査係』(’11年/原作・誉田哲也)である。

 警視庁特殊犯捜査係(通称・SIT)に所属する二人の対照的な女性警察官が互いに反目し、傷つけ合い、葛藤しながらも凶悪事件の首謀者・ジウを追い詰めていくというストーリー。

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 躊躇なく人を殺す“黒”の黒木メイサ演じる伊崎基子とは対照的に、極めて普通な“白”の婦警・門倉美咲役を演じた。

「私は黒がいいです。ピュアじゃないんです。白って何色にも染まれるけど、私は染まりたいっていうタイプじゃない。“白っぽいイメージを持たれてるけど、違うぜ?”って感じ」

 当時の記者会見で、周囲から持たれている“清純派”のイメージについてこう語っていた彼女。女性を人質に立てこもった凶悪犯人に脱衣を要求され、決意と屈辱の表情で服を1枚1枚脱いで白く薄い下着姿となり、人質女性と背中合わせに縛られながらも人質救出の機会をうかがうシーンは、彼女の女優としての本気度を感じさせた。

ほおが赤くなっても気にせずキスシーンを続ける“女優”の姿

 また2015年に主演した映画『ピース オブ ケイク』(原作・ジョージ朝倉)では、キスシーンやベッドシーンも厭わず、20代半ばの等身大の女性を演じている。

映画「ピースオブケイク」の完成試写会に登場した多部未華子(右)と綾野剛

 彼女が演じた主人公・梅宮志乃は、不満を抱えながらもダラダラと関係を続けていた恋人・正樹(柄本佑)にふられ、心機一転、転居。だが、アルバイト先のレンタルビデオ店の店長・菅原京志郎(綾野剛)にひと目惚れ。彼には同棲中の彼女がいることを知りながらも関係を持ってしまい……という役だった。

 当時の公開直前上映イベントでは、キスシーンのカットを監督が粘り、綾野剛のヒゲが彼女のほおにあたってどんどん赤くなり、何度もメイクさんが直していたことが語られている。が、当の彼女は「全然気にしていなかった」とあっけらかんと笑い、豪州のシドニーで行われたインターナショナルプレミア上映会の舞台挨拶では次のように述べている。

「原作の漫画を読んだときにすごく志乃に共感して“ぜひ演じてみたい”と思ってお引き受けした役だったので、気持ちを理解できないことは全くなかったです。女性は男性との出会いですごく変わると思うので、志乃ちゃんの気持ちの変化や、恋愛をすることで仕事も頑張れる、といった心の変化も共感できて、役作りも苦労しませんでした」