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なぜ一家心中の証拠を“隠滅”しようとしたのか
「フルニトラゼパムは眠れない人の最後の切り札として使われることが多い。翌日ボーッとしたり、運動機能に強い作用を起こすこともあり、睡眠薬の中では比較的危険性が高い。1回の量は0.5mgから2mgですが、呼吸困難などの重大な症状が起こるのは約1g程度。致死量は約6gと言われています」
捜査関係者によれば、基礎疾患や年齢を考慮すると、現実的に死に至るには少なくとも300~400錠が必要とされる。
「そのため、両親はフルニトラゼパムに加え、別の薬物も摂取した可能性がある」(前出・捜査関係者)
さらに疑問なのが、猿之助の当日の行動だ。両親が意識を失うのを見届けた後、猿之助は2人に白色のビニール袋を被せている。
「猿之助は病院内の聞き取りで『両親が動かなくなった後、ビニール袋を取り外し、薬のパッケージと共に家の近くのゴミ置き場に捨てた』と話していた。事件当日は燃えるゴミの日で、清掃事務所は午後12時半前後にごみを回収。“犯行”を裏付ける物証は、すでに失われてしまった。2人の死因はビニール袋を被せたことによる窒息死ではなく中毒死ですが、なぜ一家心中の証拠を“隠滅”しようとしたのか、謎が残る」(同前)