4月20日までにロイター通信が行った世論調査で、ドナルド・トランプ大統領の支持率は36%と、第2次トランプ政権としては過去最低水準が続いている。前編(#1)ではイラン攻撃をきっかけとした“トランプ離れ”について取り上げたが、さらに今月、トランプ氏がSNSに投稿した“一枚の画像”が世界中から猛烈な非難を浴びる事態に。アメリカのリアルな反応とは? 在米ライターの堂本かおる氏が寄稿した。(全2回の2回目)
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戦争を諫める教皇
トランプは自分を批判する者は、それが誰であれ、攻撃する。
ローマ教皇レオ14世はかねてより戦争に批判的であったが、トランプがイラン戦争をエスカレートさせるに伴い、トランプの名を出さないまま戦争批判のトーンを強めてきた。それを知ったトランプは教皇への攻撃を始めた。
4月5日、イースター(復活祭)の日にトランプは「ファッキン海峡を開けろ」「クレイジーなクソッタレども」「地獄で暮らすことになるぞ」に加え、「アッラー」の名さえポストした。
この日、教皇はバチカンにあるサン・ピエトロ大聖堂にて復活祭ミサを執り行っていた。その祈りの中で教皇はトランプおよびアメリカ/イスラエル/イラン、ロシア/ウクライナの名は出さず、しかし戦争を諌めた。
「武器を持つ者はそれを捨て去りなさい! 戦争を引き起こす力を持つ者は、平和を選びなさい! 力によって押し付けられた平和ではなく、対話を通じた平和を! 他者を支配したいという欲望によるものではなく、他者と出会いたいという願いによる平和を!」
移民問題を始め、社会問題に強い関心を持つことで知られる教皇は、戦争が死、憎しみ、分断だけでなく「経済的・社会的影響」をもたらすことも語った。ホルムズ海峡の封鎖による原油の供給停止を指していると受け取れる。
2日後にトランプがイランについて、「今夜、一つの文明が滅び、二度と復活することはないだろう」とポストすると、教皇はこれを「容認できない」とコメントした。
「戦争はもう十分だ」
4月11日、教皇はサン・ピエトロ大聖堂で「平和のための夕の祈り」を行った。ここでもトランプとアメリカの名は出さず、しかしさらに明確なイラン戦争批判があった。
「傲慢は他者を踏みつけ、愛は他者を高める。偶像崇拝は私たちを盲目にし、生ける神は私たちを照らす」
「自己と金銭への偶像崇拝はもう十分だ! 力の誇示はもう十分だ! 戦争はもう十分だ!」



