「彼が死んでくれて嬉しい」
他者への共感性、特に死に対する感覚が欠落している。
自身の2016年の選挙運動とロシアとの関連を捜査した元FBI長官ロバート・マーラーが今年3月に亡くなった際、トランプは「よかった、彼が死んでくれて嬉しい」とポストした。
昨年末、著名な映画監督でトランプ批判でも知られたロブ・ライナーが妻と共に精神疾患を持つ息子に殺害された事件では、「死因はトランプ錯乱症候群(TDS)と呼ばれる、精神を蝕む重篤で不治の病による激しい怒りだったとのこと」と、非常に不謹慎なジョークを書き込んだ。
2021年、ブッシュ政権の国務長官だったコリン・パウエルの死に際しては、「典型的なRINO(名ばかりの共和党員)」と書いた。パウエルがトランプを批判し、2016年と2020年の大統領選でトランプに投票しなかったことが理由だ。
演説中の“奇妙な言動”
また、トランプは演説や会議の最中に本題と全く関連のないことを、唐突に、かつ延々と語ることが増えている。ニューヨーク・タイムズはその例として、「クリスマスのレセプションでペルーの毒蛇について8分間もとりとめなく語る」「閣議中にシャーピーペン(愛用のマーカー)について長々と脱線」「イラン情勢に関する報告の途中で話を遮ってホワイトハウスのカーテンを称賛」などを挙げている。
問題は、現政権の誰もがトランプを恐れて何も言わないことだ。
トランプの大統領第1期には、多数の精神科医たちが声を上げた。患者を直接診ることなく診断を下すのは医師として絶対的なタブーだが、27人の精神衛生の専門家が敢えてそのタブーを犯し、トランプの精神状態を論じる書籍『The Dangerous Case of Donald Trump: 27 Psychiatrists and Mental Health Experts Assess a President』(ドナルド・トランプの危険な症例:27人の精神科医とメンタルヘルス専門家が大統領を評価する)を出版した。当時、この本は話題となったが、トランプを罷免する法的な力はもちろんなかった。

