ちなみに、米国の歴代大統領のうちカトリック教徒はジョン・F・ケネディとジョー・バイデンの2人だけだ。しかし現政権には大統領を目指すカトリック信者がいる。

 国務長官のマルコ・ルビオは2016年の大統領選に立候補し、トランプと競り合っている。副大統領JDヴァンスは、ほぼ確実に2028年の大統領選に出ると見られている。ヴァンスは自身がカトリックであることを有権者に納得させる必要があり、プロテスタントからの改宗の経緯について綴った伝記『Communion: Finding My Way Back to Faith』(聖体拝領:信仰への道を見いだす)を6月に出版する。

トランプ氏とJDヴァンス副大統領(右)(JDヴァンス氏のXより)

 トランプも教皇への攻撃を始める前より「神」の名を口にすることが増えており、これも政治的な意図によると思われる。トランプは「聖書の好きな一節」を聞かれても答えられないなど、敬虔なクリスチャンでないことは過去の言動から明白だが、表紙に自分の名を記した聖書を売り出したり、新たに「信仰局」を設置してホワイトハウスでの祈りのシーンを公開するなど、キリスト教徒の票を掴むために躍起になっている。いずれもアメリカの社会と政治に宗教がどれほど深く関わっているかがわかる事例と言える。

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 そのトランプは4月15日に再度、キリストの画像をポストした。トランプのフォロワーがポストしたもののリポストだが、今回は敬虔な表情のトランプがキリストに抱かれている姿だ。

精神疾患を疑う声も

 トランプのあまりの暴言と奇行により、その精神状態を疑問視する声が強まっている。

「Fuckin'」「basterd」「低IQ」「retarded」など常軌を逸した罵倒語の乱発は大統領という地位を認識できていないだけでなく、他者への攻撃性の強さを表している。ローマ教皇への執拗な攻撃も然り。自国アメリカを含む世界中に経済的混乱を招いてもなお、イラン戦争で「勝つ」ことに執着しているのも同じと言える。