「足裏が疲れすぎて夜になると足が攣る」「足幅が広くて靴に当たりやすい」「いつもなぜか小指が痛い」……。靴の販売業に20年超従事し、現在、靴のお悩みアドバイザーをしている筆者の元には、日々、靴に関するさまざまな悩みが寄せられます。
そんな皆さんのお話を伺いながら足元を拝見すると……。たいていハッキリとした原因が見えてくるんです。決して靴そのものが悪いわけではなく、だからといって足型が悪いわけでもありません(そもそも足型の良し悪しの基準なんて無いですよね)。
では、疲れやすく、痛くなりやすい原因はいったい何なのでしょうか?
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“選び方”以上に大切な“履き方”
単刀直入にいうと、“正しく靴を選べていない”のではなく、“正しい靴の履き方ができていない”からなんです。
「え? 正しい靴の履き方?」
不思議に思われる方も多いかもしれませんが、実は、靴を履くという行為は単純に“靴に足を入れる”だけではダメで、守るべき手順があるんです。靴の正しい履き方は、自分に合ったサイズをしっかり選ぶことと同じくらい、いや、場合によってはそれ以上に大事なことだと私は考えています。
それもそのはず。人間の体は、約4~6kgもある頭部が一番上にあり、内臓も左右非対称にかなりの重量があります。そんな大きな体を支える土台が足であり、靴はその土台を守る地盤のようなもの。正しいサイズの靴を履いていたとしても、雑な靴の履き方をしてしまうと、歩行中の足はぐらぐらして、地盤がとても不安定な状態になってしまうんです。