2年前に失踪した当時48歳の女性の遺体が、5月9日に秋田市の雑木林でコンクリート詰めになって見つかった事件。警視庁は7日、元稲川会系暴力団員の井上大輔容疑者(48)と、井上容疑者の元妻でさいたま市の土岐菜夏容疑者(34)、千葉県・成田市の菅原和宏容疑者(44)、埼玉県・川口市の飯田翔容疑者(29)、住居不定の下田陸朗容疑者(26)の5人を死体遺棄の疑いで逮捕した。
遺体の身元確認を進めた結果、女性はおととしから行方が分からなくなっていた、愛知県一宮市の加藤しのぶさん(48)と特定された。なぜ加藤さんは無惨な格好で遺棄されたのか。事件の経緯と、土岐容疑者に直撃した際の様子を詳報した当時の記事を再公開する。(初出2023年5月10日、肩書き、年齢等は当時のまま)
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5月9日、秋田県秋田市の私有地で、地中からコンクリート詰めになった状態の変死体が発見された。遺体は箱に押し込められた状態で、箱ごと土の中から掘り起こされたという。警視庁はこの土地に遺体が埋められているとの情報をもとに捜索していた。
愛知県一宮市の女性(当時48)が約2年前から行方不明になる事件があり、警視庁は見つかった遺体がこの女性だとみて、死体遺棄事件として関与した男女数人を立件する方針だ。
社会部記者が解説する。
「警視庁はこの土地に遺体が埋められているとの情報をもとに内偵を進めてきており、8日に捜索に着手しました。遺体が見つかった場所は、女性が失踪直前に会っていたとみられる40代の暴力団関係者の妻が所有する土地です。警察はこの暴力団関係者や妻ら数人が死体遺棄に関わったとみています」
「仕事とライブを観にいく」と言って上京後に行方不明に
女性を巡っては、息子が自身のTwitterや人気YouTuberの動画などで情報提供を呼びかけていた。女性は愛知県一宮市で母親と二人暮らしをしていたが、2021年6月、家族に「仕事と、ライブを観にいく」などと言って一人で上京。6月26日に吉祥寺でライブを鑑賞し、翌27日にJR三鷹駅近くのホテルをチェックアウトした後、行方が分からなくなっていた。
都内に住む息子は7月2日に会う約束をしていたが、当日を過ぎても連絡が取れなかったため、同月上旬、小金井署に捜索願を出していた。